名古屋市に本社を構えるAZAPA株式会社(代表取締役社長:近藤康弘氏)は、電気自動車(EV)の普及における最大の障壁のひとつである充電時間の長さやインフラ不足の課題解決を目的に、自社開発の「半自動交換式バッテリー」の実証実験を2025年7月にも開始する計画を明らかにしました。
充電時間の短縮と再エネ活用を同時に実現
同社の半自動交換式バッテリーは、専用機器によりバッテリーを自動で昇降し、わずか2〜3分で交換を完了できる点が特徴です。これにより、従来の充電方式では発生していた長時間の待機が不要となり、業務車両の稼働効率が大幅に向上することが期待されています。
交換用バッテリーには太陽光発電を活用した再生可能エネルギー電力を使用することで、環境負荷の低減にも寄与します。特に充電インフラが整っていない地域における脱炭素輸送手段として注目されます。
石垣島での実証、車両はトヨタ「C+pod」を活用
今回の実証実験は沖縄県石垣島で行われ、トヨタ自動車の超小型EV「C+pod(シーポッド)」に同バッテリーを搭載して走行・運用テストを実施します。
AZAPAはすでに2024年10月〜2025年3月にかけて、可搬型交換式バッテリーを用いた先行実証を豊田通商と共同で実施済みであり、今回は容量の大きいバッテリーによる第二段階の検証となります。
商用車向けに事業化、ビジネスモデルは「バッテリーレンタル」
AZAPAが想定する事業モデルは、バッテリーを所有せず利用する「レンタル方式」。車両とバッテリーを切り離すことで、EV本体価格の抑制を可能にし、資産としてのバッテリーも効率的に運用できます。
また、複数の車両タイプで共通のバッテリーを利用できるよう設計されており、物流や配達などの商用用途においてスケーラビリティの高い運用が可能です。
EVコンバージョンと中古バッテリー活用技術も推進
AZAPAは、既存の内燃機関車両をEVへと改造する「EVコンバージョン」技術や、中古バッテリーの状態を診断・評価する独自の劣化診断技術の開発にも取り組んでいます。
今後はパートナー企業との連携を強化し、バッテリー交換インフラの整備からエネルギー管理、資産運用に至るまで、持続可能な次世代社会の実現に向けた総合的なシステム構築を目指すとしています。
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