日本最大の火力発電事業者であるJERAは、2025年6月16日にマレーシアの国営石油会社ペトロナスと、液化天然ガス(LNG)の安定供給に向けた協業を検討する覚書(MoU)を締結しました。契約はクアラルンプールで開かれた「Energy Asia 2025」会議にて行われました。双方は供給面だけでなく、輸送や需給調整に関する連携強化も視野に入れています。
長年の取引実績を背景にした新たな動き
JERAは1983年からペトロナスとLNG取引を続けており、2010年代には年間最大480万トンを調達していました。現在は年間36万トンを調達しており、今回の協業では日本市場向けの供給量増加を目指します。これは、安定供給体制のさらなる強化につながります。
CO₂回収・貯留(CCS)分野での連携検討も前進
2024年4月には、JERAとペトロナスの子会社PCCSS(Petronas CCS Solutions)が、日本国内で排出されるCO₂を捕捉し、マレーシアへ輸送、貯留する一連のバリューチェーン構築に向けた共同調査契約を締結しています。今回の覚書でもCCS領域での協業検討が再確認され、グローバルな脱炭素戦略としての協力体制がさらに強化されます。
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