鳥海南バイオマス発電所を報道公開 2025年9月までにFIT売電開始へ

鳥海南バイオマス発電所(1200×630)

東北電力グループの事業会社「鳥海南バイオマスパワー」が山形県遊佐町の鳥海南工業団地内で建設したバイオマス発電所(出力5万2,900kW)が、2025年4月17日、報道向けに公開されました。2024年11月に運転を開始しており、再生可能エネルギーとして木質ペレットのみを燃料に発電、年間約14万トンのCO₂排出削減効果を見込んでいます。

木質ペレットによるカーボンニュートラル発電

発電所では、日本国内で調達が難しい木質ペレットを東南アジアから輸入し、年間約3.3億kWhを発電。発電時の燃焼で排出されるCO₂は、ペレット材が成長過程で吸収した量と相殺されるため、大気中の正味排出量を実質ゼロに近づける仕組みです。東北電力ネットワークとのFIT(固定価格買い取り制度)契約により電力を売電し、地域のクリーンエネルギー普及に寄与します。

施設概要と設計ポイント

  • ボイラー塔:高さ約59mの大規模ボイラーを中心に配置
  • 燃料倉庫:1.5haの屋内保管庫を完備し、安定的なペレット供給を実現
  • 運転管理:地元業者による設備保守体制を構築

運転開始以降は、電気事業法に基づく安全管理体制を順守しつつ、2025年9月末までにFIT本格稼働を目指します。

出資・ガバナンス体制

本発電所を運営する鳥海南バイオマスパワーは、東北電力が75%出資しています。主要投資家には、再生可能エネルギー投資で実績を持つZエナジーをはじめ、NTTアノードエナジー(NTT系列)、大阪ガス、三菱UFJ銀行、常陽銀行、東京海上日動火災保険、百五銀行、三菱重工業、三菱総合研究所、ゆうちょ銀行などが名を連ねています。これらの企業は、2021年に設立されたファンドを通じて、福島県内外のメガソーラー事業にも出資実績があります。

景観保全と地域共生への取り組み

造成に伴い露出した山肌の景観対策として、約60haの敷地全域に芝草の種子散布を実施。既に一部では草丈20cmの緑地化が進み、発電パネル未設置エリアには成長が早いコナラの苗木を2~3m間隔で植栽しています。工事車両の通行路は複数回の種子散布で着実に緑化を図り、地域住民の景観保全要望に応えています。

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