業務・産業用燃料電池システム市場、550MW規模に成長

業務・産業用燃料電池システム市場

矢野経済研究所が2025年5月14日に発表した調査結果によると、2024年の業務・産業用燃料電池システムの世界市場規模(メーカー出荷容量ベース)は前年比3.6%増の550MWと推計されています。この成長は、世界的な電力需要の増加や燃料電池産業への支援施策の拡充が背景にあります。特に、データセンター、人工知能(AI)、暗号通貨セクターなどでの電力需要の急増が市場拡大の追い風となっています。

自動車用燃料電池システム市場、2024年に減少傾向

同調査によれば、2024年の自動車用燃料電池システムの世界市場規模(メーカー出荷台数ベース)は、前年比25%減の1万1,960台と推計されています。この減少は、中国市場における補助金支給の遅れや水素価格の高止まりなどが影響し、商用車向けの需要が伸び悩んだことが要因です。また、乗用車向けでは車両価格や燃料価格の高さ、水素ステーションの不足といった課題が市場縮小の背景にあります。

2032年に向けた市場回復の見通し

矢野経済研究所は、2025年以降、主要自動車メーカーから燃料電池車(FCV)の新モデルが市場に投入されることで、乗用車向け燃料電池システム市場は回復基調に転じると予測しています。商用車向けでは、中国に加え、欧州や日本でもトラックやトレーラー用の需要が本格化し、乗用車向けよりも高い市場成長率で推移する見通しです。この結果、2032年の自動車用燃料電池システムの世界市場規模(メーカー出荷台数ベース)は約54万台になると予測されています。

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