金沢大発ベンチャー、ペロブスカイト太陽電池で市場に革新――長寿命・低コスト化を実現

金沢大発ベンチャー

金沢大学ナノマテリアル研究所の當摩哲也准教授とモハマド・シャヒドウザマン助教らは、薄型・軽量・可撓性を兼ね備えた次世代型太陽電池「ペロブスカイト太陽電池(PSC)」の商用化を視野に、今夏にもスタートアップ企業を設立します。独自のイオン液体添加技術により耐湿性を大幅に向上させ、低コストなフィルム型PSCの量産体制を北陸に構築。2030年頃の市場投入を目指します。


スタートアップ設立の背景と支援体制

TeSHプログラムによる資金調達

北陸地域の大学・高専発ベンチャー育成を推進する「TeSH(テッシュ)」に採択され、最大6,000万円の助成枠を活用して起業準備を加速中です。

研究成果の技術移転

  • 耐久性向上技術:ペロブスカイト溶液にイオン液体を配合し、湿度40%環境下で1,000時間経過後も初期性能の約90%を維持。
  • バリアーフィルム低減:高価なガスバリアフィルムへの依存を軽減し、材料コストを大幅ダウン。

ペロブスカイト太陽電池(PSC)の特長

ワイドバンドギャップ素材の優位性

ペロブスカイト結晶は、高い光吸収率と優れた電荷輸送特性を併せ持ち、従来のシリコン太陽電池と比較して製造工程がシンプル。塗布・乾燥プロセスにより、薄膜化と曲げ加工が可能です。

フィルム型量産プロセス

今後は「ロール・ツー・ロール」方式での成膜技術を確立し、継続的かつ高効率にフィルム型PSCを製造する設備開発を進めます。


今後のロードマップ

時期目標
2025年夏スタートアップ設立、シード資金調達完了
2026~2028年北陸regionに試作ラインを設置、性能評価・認証取得
~2030年商用設備での生産開始、太陽光発電システムへの組み込み

2030年頃の製品供給開始後は、産業用・建材一体型ソーラーパネル分野への展開も視野に入れています。

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