【日本製鉄株式会社】“グリーンスチール”で未来を切り拓く――水素活用と循環型社会実現に向けた革新的製鉄技術の挑戦

日本製鉄株式会社(本社:東京都千代田区)は、鉄鋼業界最大手として、温室効果ガスの削減と循環型社会の構築を軸に、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた包括的な環境戦略を推進しています。特に製鉄プロセスの革新、水素エネルギーの活用、資源循環の強化において先進的な技術開発と社会実装を進めており、日本の脱炭素産業の牽引役として注目されています。


水素活用による次世代製鉄「COURSE50」「Super COURSE50」

日本製鉄は、CO₂排出量削減を目的とした次世代高炉技術「COURSE50(CO₂ Ultimate Reduction in Steelmaking process by innovative technology for cool Earth 50)」を、鉄鋼研究開発の国家プロジェクトとして他社と共同で推進しています。

この技術は、水素を還元剤として使用することにより、従来の石炭高炉と比べてCO₂排出量を最大30%削減することが可能です。さらに、2030年以降の実用化を見据えた「Super COURSE50」では、既存高炉における水素還元率をより一層高め、CO₂排出を根本から抑える製造法の確立を目指しています。

「製鉄におけるCO₂排出は国内全体の約14%を占める。私たちには技術革新によって社会全体のカーボンフットプリントを変える責任があります。」(同社技術開発本部)

(対応SDGs:SDG 13「気候変動に具体的な対策を」)


2050年カーボンニュートラルに向けた長期ビジョン

日本製鉄は、「2050年カーボンニュートラル製鉄」を長期経営目標に掲げ、再生可能エネルギーの導入拡大や製造工程の電化、高炉効率の向上など、複数のアプローチによる脱炭素化を加速しています。

また、環境負荷の少ない鋼材「グリーンスチール」の開発・供給にも注力しており、自動車・建設・電機などの取引先との間で環境配慮型製品の導入が進んでいます。これにより、サプライチェーン全体での温室効果ガス削減に寄与しています。

(対応SDGs:SDG 9「産業と技術革新の基盤をつくろう」)


副生ガスの再利用とエネルギー効率向上

製鉄プロセスでは、大量のエネルギーを消費する一方で、製造時に副生する高炉ガス・転炉ガス・コークス炉ガスを工場内の発電や加熱設備に再利用するエネルギー循環システムを確立。これにより、エネルギー自給率の向上と外部エネルギー依存の低減を実現しています。

省エネルギー化の推進

加えて、各製造拠点での省エネルギー化(ヒートリカバリーシステムの導入など)を進めており、国内外の製鉄所におけるCO₂排出原単位の低減を継続的に達成しています。

(対応SDGs:SDG 7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」)


鉄のリサイクルと副産物の有効活用

鉄は繰り返しリサイクル可能な素材であり、日本製鉄は鉄スクラップの高効率な回収・再溶解プロセスを国内全域で展開。また、スラグやダストなどの製造副産物についても、セメント材料・道路基盤材としてのリユースを進め、最終処分量を最小化しています。

電炉設備への投資

2022年度には、鉄スクラップを利用した電炉製品の生産拡大に向けた設備投資も実施し、再資源化比率の向上を推進しています。

(対応SDGs:SDG 12「つくる責任 つかう責任」)


地域社会との連携と環境教育の実践

日本製鉄は、各事業所の立地する地域において、地方自治体や学校と連携し、環境学習会、工場見学、出前講座などを通じて、持続可能な社会に向けた啓発活動を実施しています。

地域拠点での教育プログラム事例

例えば、君津製鉄所や名古屋製鉄所では、近隣の中高生を対象とした「環境×ものづくり」教育プログラムを定期開催。鉄の循環利用や再エネ技術の意義を伝えることで、次世代の技術者や消費者への意識醸成を行っています。

(対応SDGs:SDG 4「質の高い教育をみんなに」)

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