SC鳥取(ガイナーレ鳥取)とローカルエナジーは、ソーラーシェアリング事業を通じて耕作放棄地を活用し、地域の再生可能エネルギー開発を推進します。2025年5月22日には第1号案件「しばふる太陽光発電所」の開所式を開催し、本番管理が始まりました。
ソーラーシェアリングによる発電と農地の両立
太陽光パネル設備の概要
- 出力:パネル出力75.6kW、連系出力49.5kW(低圧事業用)
- 年間発電量:約7万9,000kWh(一般家庭約20軒分に相当)
- CO₂削減効果:約19t/年
- 敷地面積:耕作面積2,700m²、パネル設置面積1,093.5m²
設置された太陽光パネルはすべて中国SUNKEAN(サンキーン)製、パワーコンディショナーは中国ファーウェイ製を採用。EPC(設計・調達・施工)は中国電気システム(CDS/鳥取県米子市)が担当し、O&M(運営・保守)サービスも同社が一手に担います。
エネルギーの地元消費を図る電力供給
- 供給先:鳥取県境港市の第一中学校(夏休みなど需要低下時は第二中学校にも供給)
- 供給量:第一中学校の年間使用電力の約50%相当
- 契約形態:オフサイト型PPA(電力購入契約)、20年間契約
この仕組みにより、再生可能エネルギーの地元消費を促進し、学校側は安定した低炭素電力を長期間にわたり利用できます。
芝生栽培プロジェクト「しばふる」との連携
芝生生産とサッカー場への活用
太陽光パネルの下では、SC鳥取が「しばふる」事業として芝生を栽培・出荷。これまで総面積約5万m²の遊休農地で実施してきた同プロジェクトは、サッカーグラウンドの芝生整備などに活用され、地域との一体的な取り組みを実現しています。
地域課題解決を目指した取り組み
2017年から開始した「しばふる」事業は、耕作者不足や荒廃農地の増加という地域課題に対応しつつ、サッカー場用芝生の安定供給を可能にしました。今回、ローカルエナジーとの協業により、営農型太陽光発電を新たに導入することで、再生可能エネルギーと農地生産を両立させるモデルケースが誕生しました。
地域連携と脱炭素先行地域認定プロジェクト
脱炭素先行地域の取り組み状況
鳥取県の米子市・境港市は、2022年4月に環境省「脱炭素先行地域」に選定され、地域ぐるみで環境対策に取り組んでいます。SC鳥取やローカルエナジーは、山陰合同銀行とともに選定プロジェクトに参画し、荒廃農地を有効活用した再生可能エネルギー開発や地域活性化を推進しています。
ノウハウを次期計画へ生かす
今回の「しばふる太陽光発電所」の知見は、今後計画中の荒廃農地を活用した追加のオフサイト型PPA事業にも活用される予定です。この連携モデルを横展開することで、地域内の営農型太陽光発電所の拡大を図り、学校や公共施設への電力供給を含めた地域循環型のエネルギーシステムを構築していきます。
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