環境省の再生可能エネルギー推進技術評価・実証事業に採択された東亜道路工業は、東京都新宿区の新宿御苑内園路に「路面太陽光パネル」を設置し、2025年4月から実証実験を開始しました。舗装と一体化させた太陽光発電システムの発電量・耐久性を測定するとともに、来園者へのアンケートを通じて自然空間との調和性や社会受容性を評価します。
実証事業の目的と背景
環境省「ネイチャーポジティブ×再エネ推進技術」事業
本実証は、環境省が掲げる「ネイチャーポジティブとカーボンニュートラルの同時実現」に向けた技術評価・実証事業の一環です。ソーラー舗装技術に関して、自然景観を損なわずに再生可能エネルギーを導入する手法を検証します。
新宿御苑を選んだ理由
- 自然豊かな公園環境:都会のオアシスである新宿御苑は、来園者の視点で景観影響を評価しやすい
- 歩行者空間としての多用途性:歩道や遊歩道への設置が、日常的な利用シーンでの性能評価に最適
実証フィールドとパネル仕様
設置場所
- 新宿御苑内園路:人通りが多い木立の間に敷設
- 延長:合計約200mの既存舗装を活用
採用システム
- ベース技術:仏ColasグループのWattway®ソーラー舗装システム
- パネル特性:
- 透明保護層+すべり止めテクスチャー加工
- 歩行者、自転車、大型車の通行荷重に対応する高耐久設計
- モジュール効率:約20%(公称値)
評価項目と今後の展望
発電性能の計測
- 季節・天候変動下での日射量と発電量の相関分析
- 従来の陸上設置型と比較した年間予測出力
環境調和性と社会受容性
- 来園者・管理者へのアンケート調査(デザイン、歩きやすさ、景観の違和感など)
- コスト・メンテナンス性を加味した導入シナリオ検討
次段階の展開
- 都市公園以外の歩道、広場、駐車場等への水平展開
- 地方自治体と連携した「公道実証」フェーズへの移行
- 2030年頃をめどに、交通インフラと一体化した太陽光発電モデルの実用化
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