ノートPCの電気代は月150円程度——エアコン1日分にも届きません。ところがゲーミングPCを毎日4時間使うと、同じ「パソコンの電気代」でも月1,000〜2,200円を超えます。機種によって実に10倍以上の差が生じます。
全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWhをもとに、ノートPC・デスクトップPC・ゲーミングPCそれぞれの電気代と、見落とされがちなモニター込みの総コストを試算します。節約術5選も併せてご確認ください。
パソコンの電気代を計算する方法
電気代は「消費電力(W)÷ 1,000 × 使用時間(h)× 電力料金単価(円/kWh)」で求められます。
例えば、消費電力25WのノートPCを1時間使った場合の電気代は次の通りです。
25 ÷ 1,000 × 1 × 31 = 0.78円
本記事の計算は全て31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価・2022年7月改定)を使用しています。実際の電気代は契約プランや地域によって異なります。
【種類別】パソコンの月間電気代シミュレーション
ノートPC・デスクトップPC・ゲーミングPCを比較すると、消費電力の差がそのまま電気代の差に直結します。
| 種類 | 消費電力の目安 | 1時間の電気代 | 1日8時間 | 1ヶ月(30日) | 年間 |
|---|---|---|---|---|---|
| ノートPC | 20〜30W | 0.6〜0.9円 | 5.0〜7.4円 | 149〜223円 | 1,788〜2,678円 |
| デスクトップPC(一般) | 50〜150W | 1.6〜4.7円 | 12.4〜37.2円 | 372〜1,116円 | 4,464〜13,392円 |
| ゲーミングPC(ミドル) | 280〜400W | 8.7〜12.4円 | 69.4〜99.2円 | 2,083〜2,976円 | 24,996〜35,712円 |
| ゲーミングPC(ハイエンド) | 400〜600W | 12.4〜18.6円 | 99.2〜148.8円 | 2,976〜4,464円 | 35,712〜53,568円 |
※1ヶ月30日・1日8時間使用の場合。31円/kWhで計算。
ノートパソコンの電気代
ノートPCの消費電力は20〜30Wが一般的で、月間電気代は149〜223円程度です。
1日8時間 × 30日で約150〜220円と、家電の中では最も省電力な部類に入ります。テレビ(32型で月約220円)と同水準です。在宅勤務で毎日使っても、月額200円台に収まります。
デスクトップパソコンの電気代
デスクトップPCの消費電力は50〜150Wで、月間電気代は372〜1,116円程度です。
内蔵グラフィックのビジネス向けモデルは50〜80W程度で月372〜593円、クリエイター向けの高性能モデルになると100〜150Wで月744〜1,116円まで上がります。モニターを外付けで使う場合は、後述のモニター電気代も加算が必要です。
ゲーミングPCの電気代
ゲーミングPCの消費電力はミドルクラスで280〜400W、ハイエンドモデルでは400〜600Wに達します。1日4時間使用の場合、月間電気代は1,040〜2,800円程度になります。
1日8時間フル稼働させると月2,000〜4,460円と、夏季のエアコン電気代(6〜8畳・月2,000〜4,000円)と同等以上のコストになります。
ゲーミングPCの電気代はノートPCの10〜20倍です。「パソコンの電気代は安い」というのはノートPCの話であり、ゲーミングデスクトップには当てはまりません。使用頻度と電気代のバランスを確認することが節約の第一歩です。
モニター・周辺機器込みの総コスト
デスクトップPCやゲーミングPCはモニターを別途接続するため、総コストにはモニターの電気代も加算する必要があります。
ノートPCのようにモニター一体型の機種は別として、デスクトップ環境では見落としがちな費用です。
| モニターサイズ | 消費電力の目安 | 1日8時間・月間電気代 | 年間電気代 |
|---|---|---|---|
| 24型(フルHD) | 15〜20W | 112〜149円 | 1,340〜1,788円 |
| 27型(4K/QHD) | 25〜35W | 186〜260円 | 2,234〜3,120円 |
| 32型(4K) | 35〜50W | 260〜372円 | 3,120〜4,464円 |
| 34型ウルトラワイド | 50〜80W | 372〜595円 | 4,464〜7,141円 |
※1日8時間・月30日・31円/kWhで計算。
例えば、デスクトップPC(100W)+27型モニター(30W)を1日8時間使う場合の月間電気代は次の通りです。
(100 + 30)÷ 1,000 × 8 × 30 × 31 = 969.6円/月
外付けスピーカー(5〜10W)や外付けHDD(3〜6W)などの周辺機器も電気を消費します。デスク周り全体では+50W程度を見込んでおくと実態に近い計算になります。
用途別シミュレーション(在宅勤務・動画編集・ゲーム)
同じPCでも、使い方によって消費電力は大きく変わります。一般的なオフィス作業中は低負荷ですが、動画編集やゲーム中は高負荷になります。
| 用途 | 機種・構成(目安) | 消費電力 | 月間コスト目安 | 年間コスト目安 |
|---|---|---|---|---|
| 在宅勤務(月20日×8h) | ノートPC 25W | 25W | 約124円 | 約1,488円 |
| 在宅勤務+外付けモニター(月20日×8h) | ノートPC 25W+24型 17W | 42W | 約208円 | 約2,498円 |
| 在宅勤務・デスクトップ(月20日×8h) | デスクトップ 100W+24型 17W | 117W | 約581円 | 約6,967円 |
| 動画編集(月20日×4h) | クリエイター向け 200W+27型 30W | 230W | 約573円 | 約6,882円 |
| ゲーム(月20日×4h) | ゲーミングPC 350W+27型 30W | 380W | 約947円 | 約11,363円 |
| ゲームヘビー(月30日×8h) | ゲーミングPC 400W+27型 30W | 430W | 約3,200円 | 約38,409円 |
※31円/kWhで計算。消費電力は代表的な機種の実測値を参考にした目安値。
- 消費電力20〜30Wで月150〜220円と家電最小水準
- バッテリー動作中はさらに消費電力が下がる
- モニター不要で周辺機器コストも削減できる
- 消費電力50〜150Wでノートの2〜5倍の電気代
- モニター・スピーカー等の周辺機器コストが加算される
- 常時稼働させると年間5,000〜13,000円超になる場合がある
パソコンの電気代が高くなるタイミング
PCの消費電力はアイドル時と高負荷時で2〜10倍の差が生じます。
- 動画エンコード・3Dレンダリング:CPUとGPUが100%稼働し、最大消費電力に近づきます
- 大型ゲームのプレイ中:ゲーミングPCは通常時の1.5〜2倍の消費電力になります
- 複数モニターの使用:モニター2台追加で月200〜600円の上乗せになります
- つけっぱなし運用:ノートPC(25W)でも24時間365日で年間約6,789円かかります
スリープを活用すれば消費電力は1〜3W程度まで低下するため、つけっぱなしでも年間電気代は300〜900円に抑えられます。
パソコンの電気代を下げる節約術5選
設定を変えるだけで月100〜300円の節約が可能です。追加費用ゼロですぐに実践できる方法を5つ紹介します。
- 省電力設定(省電力モード・バランスモード)を有効にする
- 使用しないときはスリープを積極的に活用する
- モニターの輝度を最大から70〜80%程度に下げる
- 不要なバックグラウンドアプリを終了させる
- ゲーミングPCはプレイしないときに電源を切る
省電力設定を有効にする
Windowsの電源プランを「バランス」または「省電力」に変更すると、アイドル時の消費電力を30〜50%削減できます。設定はスタートメニュー→「電源オプション」から変更します。
スリープを活用する
スリープ中の消費電力は1〜3Wで、シャットダウン状態とほぼ同等です。15〜30分操作しない場合に自動スリープが発動するよう設定しておくと、無意識に節電が進みます。
モニターの輝度を調整する
モニターは輝度100%時と70%時では消費電力が15〜20%異なります。24型で20W→17Wになるだけで年間約186円の節約になります。
ゲーミングPCの電源管理を徹底する
ゲーミングPCは使わない時間帯もCPU・GPU・冷却ファンが稼働しています。プレイしない時間が2時間以上続く場合は電源を切るのが最も効果的な節約策です。
節電の優先順位はゲーミングPC>デスクトップPC>ノートPCの順です。ノートPCの節電効果は月数十円程度ですが、ゲーミングPCでは月数百円の差が出ます。コストパフォーマンスを考えると、ゲーミングPC利用者が最も大きな節電効果を得られます。
よくある質問
ノートPCの電気代は1ヶ月いくらですか?
1日8時間・月30日使用で149〜223円が目安です。消費電力20〜30W・31円/kWhで計算した値です。在宅勤務で使う場合(月20日×8時間)は約100〜150円になります。
デスクトップPCはノートPCの何倍の電気代がかかりますか?
一般的なデスクトップPC(50〜150W)はノートPC(20〜30W)の2.5〜5倍の電気代がかかります。モニター込みの総コストではさらに差が開きます。
ゲーミングPCは電気代が高いですか?
高いです。ミドルクラス(280〜400W)を1日4時間使うだけで月1,040〜1,860円かかります。1日8時間フル稼働では月2,000〜4,500円に達し、エアコンの夏季電気代と同等以上になります。
パソコンをつけっぱなしにすると年間いくらかかりますか?
ノートPC(25W)なら年間約6,789円(月567円相当)、デスクトップPC(100W)なら年間約27,156円(月2,263円相当)です。スリープを活用すれば消費電力が1〜3Wに落ち、大幅に節約できます。
モニターの電気代も含めるべきですか?
デスクトップPCを使う場合は含める必要があります。27型モニター(30W)を1日8時間使うと月約223円の電気代が発生します。ノートPCは画面一体型なので別途計算は不要です。
電気代の安いパソコンはどれですか?
電気代が最も安いのはノートPCです。次に省電力型の小型デスクトップPC(NUCや省スペースPC、20〜60W)が続きます。同じ作業をするならノートPCの方が電気代を大幅に抑えられます。
あわせて読みたい
扇風機の電気代は月いくら?DC・ACモーター別比較と節約術
あわせて読みたい
冷蔵庫の電気代は月いくら?サイズ・年式別比較と節電方法
あわせて読みたい
ドライヤーの電気代は1回いくら?ワット数別比較と節約術
電気代を最小化するための3つのアクション
パソコンの電気代を効果的に削減するための、今日から始められる3つのステップです。
-
自分のPCの消費電力を確認する
Windowsの「電源と電池の設定」やワットチェッカーで実際の消費電力を計測してください。カタログ値と実際の値が異なる場合があります。
-
省電力設定とスリープを有効にする
電源プランを「バランス」以下に設定し、15〜20分で自動スリープが発動するよう設定します。追加費用ゼロで月数十〜数百円の節約になります。
-
電力プランを見直す
在宅勤務や夜間のPC利用が多い家庭は、時間帯別料金プランが有利になる場合があります。電力会社を見直すことで年間数千〜数万円の差が出ることもあります。
