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太陽光発電+蓄電池セット価格の相場は5kW+10kWhで約320〜370万円【2026年10月】公的データの単価で10年収支を試算

更新: 2026/10/07執筆: Japan Energy Times 編集部
太陽光発電
太陽光発電+蓄電池セット価格の相場は5kW+10kWhで約320〜370万円【2026年10月】公的データの単価で10年収支を試算

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太陽光発電と蓄電池をセットで入れる費用は、経済産業省の資料にある単価で計算すると、既築住宅の5kW+10kWhで約320〜370万円です。蓄電池が国の補助事業の価格要件の水準まで下がった見積もりなら約288万円になります。「セットだと300万円前後かそれ以上かかる」という見方は、公的な数字と合っています。

国のDR補助金は2026年5月29日に公募を終えました。東京都の助成は2026年10月7日時点で受付中で、同じ5kW+10kWhなら160万円が助成され、負担は約128〜210万円になります。

費用の根拠、補助金の現状、10年間の節約と売電の合計、回収にかかる年数を、計算式と前提をすべて示して試算します。金額は当サイトの試算で、個別の見積もり額を示すものではありません。

先に結論(既築・5kW+10kWh・当サイト試算)
  • 費用(補助金なし): 太陽光150.5万円+蓄電池170〜220万円=約320〜370万円。蓄電池が税込13.75万円/kWh(国の補助事業の価格要件の水準)なら約288万円
  • 10年間の節約+売電: 太陽光のみ約122.0万円、蓄電池ありで約143.3〜164.7万円
  • 蓄電池を足して増える分は10年で約21.3〜42.7万円。補助金なしでは、どちらの単価でも蓄電池の費用(137.5〜220万円)に届きません
  • 回収年数(補助金なし): 太陽光のみ約13〜14年、蓄電池ありは約18〜28年
  • 東京都の助成160万円を使うと、蓄電池が17〜22万円/kWhなら約10〜15年、税込13.75万円/kWhなら約8〜9年
  • 分かれ目は蓄電池の1kWhあたりの単価です。東京都の助成を使う場合、税込で約13.6〜17.2万円/kWh以下なら、蓄電池の分を15年以内に回収できる計算になります

太陽光発電+蓄電池セット価格の相場【容量別・2026年10月時点】

容量の組み合わせごとの費用を、公的な資料の単価で計算しました。太陽光は既築住宅の平均30.1万円/kWです。蓄電池は、補助事業を使わない販売の水準(工事費込み17〜22万円/kWh)と、国の補助事業の価格要件の水準(税込13.75万円/kWh)の2通りを並べます。

蓄電池が17〜22万円/kWhの場合(補助事業を使わない販売の水準)

太陽光+蓄電池太陽光の費用蓄電池の費用合計(補助金なし)
3kW+5kWh90.3万円85〜110万円約175.3〜200.3万円
4kW+7kWh120.4万円119〜154万円約239.4〜274.4万円
5kW+10kWh150.5万円170〜220万円約320.5〜370.5万円
6kW+12kWh180.6万円204〜264万円約384.6〜444.6万円
8kW+16kWh240.8万円272〜352万円約512.8〜592.8万円

蓄電池が税込13.75万円/kWhの場合(国の補助事業の価格要件の水準)

太陽光+蓄電池太陽光の費用蓄電池の費用合計(補助金なし)
3kW+5kWh90.3万円68.8万円約159.1万円
4kW+7kWh120.4万円96.3万円約216.7万円
5kW+10kWh150.5万円137.5万円約288.0万円
6kW+12kWh180.6万円165.0万円約345.6万円
8kW+16kWh240.8万円220.0万円約460.8万円

計算式は、太陽光の費用=30.1万円×kW、蓄電池の費用=単価×kWh、合計=両者の和です。セットにした場合の値引きは入れていません。

単価の出どころと前提
  • 太陽光 30.1万円/kW: 資源エネルギー庁「太陽光発電について」(2026年1月・調達価格等算定委員会の資料)にある、住宅用(10kW未満)・既築・2025年設置の平均です。新築は28.9万円/kWで、新築なら5kWで144.5万円になります。
  • 蓄電池 17〜22万円/kWh: 経済産業省「定置用蓄電システム普及拡大検討会」の2024年度とりまとめ(三菱総合研究所・2025年3月7日)にある、補助事業以外で家庭用蓄電システムを導入する場合の標準的な水準です。設備費15〜20万円/kWhに工事費2万円/kWh程度を足しました。事業者への聞き取りに基づく数字で、2026年の調査値ではありません。
  • 蓄電池 税込13.75万円/kWh: 国のDR補助金(令和7年度補正)が補助の条件にしていた「2025年度目標価格」12.5万円/kWh(設備費+工事費・据付費、税抜)に消費税10%を足した額です。同じとりまとめでは、補助事業を使った導入の平均が設備費11.1万円/kWh+工事費1.0万円/kWh(2023年度)でした。この水準の見積もりが実際に出るかどうかは、業者と機種によります。
  • 太陽光の30.1万円/kWと蓄電池の17〜22万円/kWhは、資料の該当ページに税込か税抜かの記載を確認できていません。税抜の数字だった場合、5kW+10kWhの税込額は約353〜408万円です。見積もりと比べるときは税抜・税込をそろえてください。
  • 同じとりまとめは、5kWh未満の小さな蓄電池は1kWhあたりの価格が高くなる傾向を示しています。3kW+5kWhの行は上振れする可能性があります。

民間の集計と比べる

一括見積もりサービスのソーラーパートナーズは、蓄電池の価格相場のページで、2025年1月1日〜12月31日に同社経由で蓄電池を導入した3,094名の集計を公開しています(2026年5月更新)。平均は容量12.25kWhで210.1万円(本体+工事費・税込)、1kWhあたり17.2万円です。

容量帯民間の集計(平均・税込)17〜22万円/kWhで計算税込13.75万円/kWhで計算
9〜10kWh195.7万円10kWhで170〜220万円10kWhで137.5万円
12〜13kWh205.0万円12kWhで204〜264万円12kWhで165.0万円
16〜17kWh259.3万円16kWhで272〜352万円16kWhで220.0万円

10kWh前後では、民間の集計は17〜22万円/kWhの幅の中ほどにあります。12kWh以上では幅の下限かそれより安く、16〜17kWhの平均259.3万円は1kWhあたり約16万円です。大容量では1kWhあたりの単価が下がるため、6kW+12kWhと8kW+16kWhの行は、見積もりが17〜22万円/kWhの表より低く出る余地があります。民間の集計は1社の利用者に限った数字で、全国の平均ではありません。

同時に入れる場合と後から足す場合

太陽光と蓄電池を同時に入れると、工事と申請が1回で済み、太陽光と蓄電池でパワーコンディショナを共用する機種(ハイブリッド型)を最初から選べます。後付けとの差額がいくらになるかは、公的な資料で確認できていません。金額の差は、同時設置と後付けの両方の見積もりを取って比べてください。

東京都の蓄電池の助成は、太陽光がすでに付いている住宅への後付けも対象です。太陽光だけ先に入れて、蓄電池は後で判断する進め方も取れます。

あわせて読みたい 蓄電池はやめたほうがいい?導入判断の完全ガイド【2026年版】

補助金でいくら下がるか|国のDR補助金は終了、東京都は受付中

2026年10月7日時点で、国の家庭用蓄電池の補助のうちDR補助金は申請できません。国の制度で蓄電池が対象に残っているのは、断熱リフォームと組み合わせる「みらいエコ住宅2026事業」です。金額が大きいのは都道府県と市区町村の制度で、金額を公式ページで確認できた東京都を例に計算します。

国のDR補助金(2026年度は公募終了)

「令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業」は、補助上限額が1申請あたり60万円でした。公募は2026年3月24日に始まり、5月29日に交付申請額の合計が予算に達して終了しています。執行団体のSIIは「公募の再開を行う予定はありません」と告知しています(SII公式サイト)。

この補助金は、蓄電池の購入価格と工事費の合計が1kWhあたり12.5万円(税抜)以下であることを条件にしていました。太陽光と一体のハイブリッド型は、電力変換装置の分を差し引いて比べる扱いです。太陽光と同時に入れるセットの見積もりでは、蓄電池の金額がこの単価より高く出ることがあります。補助金は終わりましたが、この価格で販売された実績がある水準として、見積もりを比べる物差しに使えます。

「国の補助金で60万円安くなる」という説明に注意

2026年度のDR補助金は2026年5月29日に公募を終了しており、これから契約する蓄電池には使えません。見積書や営業資料にこの補助金が入っている場合は、どの年度のどの制度を指しているかを確認してください。

国の「みらいエコ住宅2026事業」(リフォーム・蓄電池は1戸9.6万円)

国の住宅省エネ支援の「みらいエコ住宅2026事業」は、リフォームの補助対象工事に蓄電池の設置を含めています。補助額は1戸あたり96,000円です。蓄電池だけでは申請できません。1つの居室の外に面する窓・ドアの断熱改修を含む、決められた組み合わせの工事を同じ住宅で行うことが条件です。補助上限が高い区分では高効率給湯器か高効率エアコンの設置も必須で、窓の性能と住宅の新築時期によって外壁・屋根・床の断熱改修も必要になります。原則として平成28年12月31日以前に新築された住宅が対象です。

2026年10月7日午前0時時点で、リフォームの予算に対する申請額の割合は8%です。交付申請の期限は遅くとも2026年12月31日で、予算の上限に達した時点で終了します(みらいエコ住宅2026事業 リフォーム)。断熱リフォームを同時に予定している場合に使える制度で、この記事の計算には入れていません。

東京都の助成(2026年10月7日時点で受付中)

東京都は「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」で、太陽光と蓄電池の両方に助成しています。窓口はクール・ネット東京(東京都環境公社)で、令和8年度の内容は次のとおりです。

対象助成額(令和8年度)主な条件
太陽光(既存住宅)3.75kW以下: 15万円/kW(上限45万円)/3.75kW超: 12万円/kW助成対象経費が上限
太陽光(新築住宅)3.6kW以下: 12万円/kW(上限36万円)/3.6kW超: 10万円/kW助成対象経費が上限
蓄電池(新規設置)10万円/kWh。DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸。参加する場合は上限がなく、10万円(専用の機器を設置する場合は1台15万円)を加算太陽光を設置済みか同時設置。太陽光がない場合は再エネ電力メニューの契約。助成対象経費(税抜)が上限

120万円は蓄電池の助成の上限で、DR実証に参加しない場合にだけかかります。太陽光の助成はこれとは別に受けられます。DR実証は、東京都に登録された事業者が電力の需給に合わせて蓄電池を遠隔で制御する取り組みで、交付決定の年度から2か年度の契約が条件です。

事前申込は施工業者と契約を結ぶ前に行う決まりです。契約後の申込は原則として対象外になります。令和8年10月1日以降に事前申込をする蓄電池は、SIIの令和8年度の登録済製品一覧にある機器だけが対象です(クール・ネット東京 蓄電池・同 太陽光)。

既存住宅に入れ、DR実証に参加しない場合の助成額と、助成後の負担を容量別に計算しました。

太陽光+蓄電池都の助成(太陽光+蓄電池)助成後の負担(17〜22万円/kWh)助成後の負担(税込13.75万円/kWh)
3kW+5kWh45万円+50万円=95万円約80.3〜105.3万円約64.1万円
4kW+7kWh48万円+70万円=118万円約121.4〜156.4万円約98.7万円
5kW+10kWh60万円+100万円=160万円約160.5〜210.5万円約128.0万円
6kW+12kWh72万円+120万円=192万円約192.6〜252.6万円約153.6万円
8kW+16kWh96万円+120万円=216万円約296.8〜376.8万円約244.8万円

計算式は、太陽光の助成=12万円×kW(3kWは15万円×3kW=45万円)、蓄電池の助成=10万円×kWh(DR実証に参加しない場合は120万円で頭打ち。16kWhは160万円ではなく120万円)、助成後の負担=前の表の合計−助成額です。DR実証に参加すると、16kWhの蓄電池の助成は160万円+10万円=170万円になり、8kW+16kWhの負担は表より50万円下がります。10kWhの場合は100万円+10万円=110万円です。

約288〜370万円 5kW+10kWh・補助金なし
→
約128〜210万円 東京都の助成160万円を引いた負担(既存住宅)

市区町村と、東京都以外の自治体

都内の区市町村が独自に蓄電池や太陽光へ補助している場合があります。金額と受付状況は自治体ごとに違い、国のDR補助金のように年度の途中で予算に達して締め切る制度もあるため、区市町村の金額は計算に入れていません。都内の制度はクール・ネット東京の「区市町村の補助金等情報」から確認できます。

東京都以外に住んでいる場合は、都道府県と市区町村の公式サイトで、今年度の受付が続いているか・1kWhあたりの金額・上限・契約前の申請が必要かを確認してください。助成がない地域では、前の章の「補助金なし」の金額がそのまま負担になります。

10年間の収支|補助金なしでは蓄電池の費用を節約額で回収できない【当サイト試算】

費用と10年間の効果(万円) 太陽光のみ|費用 150.5万円 太陽光のみ|10年の節約+売電 約122.0万円 蓄電池あり|費用(17〜22万円/kWh) 320.5〜370.5万円 蓄電池あり|費用(13.75万円/kWh) 288.0万円 蓄電池あり|10年の節約+売電 約143.3〜164.7万円 薄い部分は金額の幅。既築5kW+10kWh 補助金なし。単価は太陽光30.1万円/kW 発電量は1kWあたり年1,200kWh 電気31円/kWh・売電24円→8.3円/kWh 自家消費率35%→約57〜78%で試算
既築・5kWで、太陽光のみと蓄電池10kWhを足した場合の費用と10年間の節約+売電(補助金なし・当サイト試算。単価・発電量・太陽光のみの自家消費率は経済産業省とSIIの資料、蓄電池ありの自家消費率は仮定。13.75万円/kWhは税込)

住宅用太陽光の売電単価(FIT)は、2026年度の認定分で最初の4年間が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhです(資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」)。この単価で、蓄電池がある場合とない場合の10年間を計算します。

5kWで比べる:太陽光のみと、蓄電池10kWhあり

項目太陽光のみ太陽光+蓄電池10kWh
発電量(年)6,000kWh6,000kWh
自家消費(年)2,100kWh(35%)3,400〜4,700kWh(約57〜78%)
売電(年)3,900kWh1,300〜2,600kWh
電気代の節約(年)約6.5万円約10.5〜14.6万円
売電収入(1〜4年目・年)約9.4万円約3.1〜6.2万円
売電収入(5〜10年目・年)約3.2万円約1.1〜2.2万円
10年間の合計約122.0万円約143.3〜164.7万円
費用(補助金なし)150.5万円320.5〜370.5万円(蓄電池が税込13.75万円/kWhなら288.0万円)
10年時点の回収率約81%約39〜51%(同 約50〜57%)
回収年数約13〜14年約20〜28年(同 約18〜21年)
試算の前提と計算式
  • 年間発電量: 1kWあたり1,200kWh(5kWで6,000kWh)。費用と同じ経済産業省の資料が調達価格の計算に使っている設備利用率13.7%に当たります(24時間×365日×13.7%≒1,200時間)。同じ資料の2025年1〜8月の実績の平均は14.1%でした。屋根の向きや地域で発電量が2割少ない条件(1kWあたり1,000kWh)では、太陽光のみの回収年数は約16〜19年、蓄電池あり(17〜22万円/kWh・補助金なし)は約24〜34年に延びます
  • 電気料金の単価: 31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価・税込)
  • 売電単価: 1〜4年目24円/kWh、5〜10年目8.3円/kWh
  • 自家消費率(太陽光のみ): 35%。費用と同じ経済産業省の資料で、2025年1〜8月の実績は売電に回った割合が平均64.8%(自家消費は約35%)でした。調達価格の計算上の想定は売電70%(自家消費30%)です。自家消費率が40%の家庭では、太陽光のみの回収年数は約12〜13年になります
  • 自家消費率(蓄電池あり): 約57〜78%。売電に回っていた3,900kWhのうち3分の1〜3分の2(1,300〜2,600kWh)を蓄電池経由で使えると置いた、当サイトの仮定です。公的な実測値は確認できておらず、家庭の電気の使い方と蓄電池の容量で変わります
  • 1年の効果=自家消費量×31円+売電量×売電単価。10年間の合計=1〜4年目の効果×4+5〜10年目の効果×6
  • 10年時点の回収率=10年間の合計÷費用。回収年数は、年ごとの効果を足していって費用に届く年です。11年目以降も8.3円/kWhで売電できると置いています(太陽光のみの約14年は、11年目以降の売電収入を見込まない場合)。同じ資料は買取期間が終わった後の売電単価を平均10.0円/kWhと想定しており、この単価で計算すると太陽光のみの回収はわずかに早く、蓄電池で増える効果はわずかに小さくなります
  • 入れていないもの: 蓄電池の充放電で失われる電気、パネルと蓄電池の劣化、パワーコンディショナや蓄電池の交換費用、点検費用、電気料金の変動、時間帯別料金プランで夜間の安い電気を蓄電池にためる使い方

太陽光のみの数字は、太陽光発電の設置費用の相場の5kWの試算と同じ前提です。太陽光発電の回収期間(自家消費率別の独自計算)は、点検などの維持費を年1万円入れ、自家消費率を30〜70%で振った別の前提の計算です。回収年数がこの記事と少し違うのはそのためで、蓄電池を足す前の基準として使えます。

蓄電池の分だけを取り出す

蓄電池の働きは、昼に売っていた電気を夜に自分で使うことです。1kWhを売電から自家消費に回すと、得になる額は「電気料金31円−売電単価」です。1〜4年目は31−24=7円、5〜10年目は31−8.3=22.7円になります。

蓄電池10kWhの分17〜22万円/kWh税込13.75万円/kWh
費用170〜220万円137.5万円
10年間で増える効果(年1,300〜2,600kWhを回す)約21.3〜42.7万円
上限: 売電分3,900kWhを全部回せた場合の10年約64.0万円
15年まで延ばした場合に増える効果約36.1〜72.2万円
蓄電池の分の回収年数(補助金なし)約32年以上約26年以上
東京都の助成100万円を引いた費用70〜120万円37.5万円
蓄電池の分の回収年数(東京都)約15〜43年約9〜15年

計算式は、10年間で増える効果=回す量×(7円×4年+22.7円×6年)です。1,300kWhなら21.35万円、2,600kWhなら42.69万円になります。15年は、11〜15年目も22.7円の差が続くと置いて5年分を足しました。回収年数は、蓄電池の費用を、蓄電池で増える年ごとの効果で割り戻した年数です。

補助金なしでは、どちらの単価でも蓄電池の費用を節約額で回収できません。費用137.5〜220万円に対し、増える効果は10年で約21.3〜42.7万円、15年でも約36.1〜72.2万円です。売電していた電気を全部回せたと置いた上限(10年で約64.0万円)でも届きません。電気料金が40円/kWhに上がった場合で計算しても、10年間で増える効果は約33.0〜66.1万円です。

東京都の助成を使うと、結果は蓄電池の単価で分かれます。17〜22万円/kWhの見積もりでは、助成後の費用70〜120万円の回収に約15〜43年かかります。税込13.75万円/kWhの見積もりなら、助成後の費用は37.5万円で、約9〜15年で回収できる計算です。

分かれ目になる単価(東京都・10kWh・当サイト試算): 蓄電池の分を15年以内に回収できるのは、見積もりが税込で約13.6〜17.2万円/kWh以下の場合です。10年以内なら約12.1〜14.3万円/kWh以下です。幅は、蓄電池で回せる電気が多い家庭ほど上の値まで許容できることを表します。助成がない地域では、同じ計算の上限は約3.6〜7.2万円/kWhで、この価格の見積もりは確認できていません。

蓄電池に電気をためて取り出すと、その途中で一部が失われます。この試算は失われる分を入れていないため、実際の効果は上の数字より小さくなります。

容量別の10年収支(補助金なし)

太陽光+蓄電池10年間の節約+売電回収率/回収年数(17〜22万円/kWh)回収率/回収年数(税込13.75万円/kWh)
3kW+5kWh約86.0〜98.8万円約43〜56%/約18〜25年約54〜62%/約16〜20年
4kW+7kWh約114.6〜131.7万円約42〜55%/約19〜26年約53〜61%/約17〜20年
5kW+10kWh約143.3〜164.7万円約39〜51%/約20〜28年約50〜57%/約18〜21年
6kW+12kWh約172.0〜197.6万円約39〜51%/約20〜28年約50〜57%/約18〜21年
8kW+16kWh約229.3〜263.4万円約39〜51%/約20〜28年約50〜57%/約18〜21年

容量別の10年収支(東京都の助成あり・既存住宅)

太陽光+蓄電池10年間の節約+売電回収率/回収年数(17〜22万円/kWh)回収率/回収年数(税込13.75万円/kWh)
3kW+5kWh約86.0〜98.8万円約82〜123%/約8〜13年約134〜154%/約6〜7年
4kW+7kWh約114.6〜131.7万円約73〜109%/約9〜14年約116〜134%/約7〜8年
5kW+10kWh約143.3〜164.7万円約68〜103%/約10〜15年約112〜129%/約8〜9年
6kW+12kWh約172.0〜197.6万円約68〜103%/約10〜15年約112〜129%/約8〜9年
8kW+16kWh約229.3〜263.4万円約61〜89%/約11〜17年約94〜108%/約9〜11年

費用と助成後の負担は前の章の表の金額です。どの行も、発電量は1kWあたり年1,200kWh、自家消費率は蓄電池なしで35%・ありで約57〜78%と置いています。回収率と回収年数の幅は、費用が安く効果が大きい組み合わせと、費用が高く効果が小さい組み合わせの両端です。

自家消費できる量は、その家庭が使う電気の量が上限です。6kW・8kWの行は、発電量が年7,200〜9,600kWhと大きく、電気の使用量が少ない家庭では表と同じ自家消費率に届きません。その場合の効果は表より小さくなります。

東京都の助成を使う場合、5kW+10kWhの回収年数は、蓄電池が17〜22万円/kWhなら約10〜15年、税込13.75万円/kWhなら約8〜9年です。東京都で太陽光だけを入れる場合は、5kWの負担が150.5万円−60万円=90.5万円で、10年時点の回収率は約135%、回収年数は約7年です。回収の早さだけで選ぶなら、太陽光のみのほうが早くなります。

補助金なしの回収年数(約18〜28年)は、蓄電池のメーカー保証の年数より長くなります。当サイトが主要5社の公式の保証条件を調べた範囲では、保証は10年または15年でした(有償の延長を含みます。家庭用蓄電池の寿命と交換費用)。保証が切れた後の故障や交換の費用は、この試算に入っていません。

セット価格の妥当性は、太陽光側のkW単価と蓄電池側のkWh単価を分けて見ると判定できます。太陽光側の判定基準と必要な見積もり社数は太陽光の相見積もりは何社?適正価格をkW単価で判定する手順で解説しています。

金額以外で蓄電池を足す理由と、足さない選択

節約額で費用を回収できない条件でも、蓄電池には金額に表れない働きがあります。判断の材料を、確認できる事実だけで並べます。

停電のときに電気を使える

蓄電池があると、停電中も貯めた電気を使えます。太陽光と組み合わせれば、昼に発電した電気を貯めて夜に回せます。東京都は蓄電池の助成の目的に「非常時のエネルギー自立性の向上」を挙げています。経済産業省の検討会のとりまとめも、災害対策を目的に設置される例が増えていると記しています。

停電時に使える範囲は機種で変わります。家全体に電気を送る全負荷型と、あらかじめ決めた回路だけに送る特定負荷型があり、民間の集計(ソーラーパートナーズ・税込)では9〜10kWhの相場が全負荷型155〜270万円、特定負荷型150〜242万円です。違いは蓄電池の全負荷型と特定負荷型の違い、使える時間の計算は蓄電池は停電時に何時間使えるかで扱っています。

電気料金が上がったときと、売電単価が下がったとき

蓄電池の効果は「電気料金−売電単価」で決まるため、電気料金が上がるほど、売電単価が下がるほど大きくなります。FITの5年目以降(8.3円/kWh)と、10年の買取期間が終わった後は、売るより自分で使うほうが得になる幅が広がります。前の章で見たとおり、電気料金を40円/kWhと置いても、補助金なしでは10年で費用に届きません。料金の上昇だけを理由に回収を見込むことはできません。

足さない選択:太陽光だけ先に入れる

回収の早さを優先するなら、太陽光だけを先に入れ、蓄電池は価格や補助金の状況を見て後から足す方法があります。経済産業省の資料では、太陽光発電を行っている世帯のうち家庭用蓄電システムを使っている世帯は26.4%(2023年度)で、蓄電池なしの世帯のほうが多数です。後付けの費用と注意点は、記事末尾の関連記事にまとめています。

見積もりで確認する5つの点

見積書の合計額だけでは、相場と比べられません。次の5点を業者に書面で出してもらうと、この記事の表と同じ物差しで比べられます。

1. 太陽光のkW単価

太陽光の金額(パネル・パワーコンディショナ・架台・工事費)を容量で割ります。目安は既築の平均30.1万円/kW、新築の平均28.9万円/kWです。経済産業省の同じ資料では、安い側から30%の位置にあたる水準が25.6万円/kWでした。

2. 蓄電池のkWh単価(回収できるかどうかの分かれ目)

蓄電池の金額(本体・工事費)を蓄電容量で割ります。補助事業を使わない販売の水準が17〜22万円/kWh、国の補助事業の価格要件の水準が税抜12.5万円/kWh(税込13.75万円/kWh)です。東京都の助成を使う場合、税込で約13.6〜17.2万円/kWh以下なら蓄電池の分を15年以内に回収できる計算になり、これを超えると回収は15年より長くなります。容量は、カタログの定格容量と実際に使える容量のどちらで割ったかをそろえて比べます。

3. 工事費の内訳と、税抜・税込

足場、電気工事、基礎工事、申請の代行費用が「一式」にまとめられている場合は、項目ごとの金額を出してもらいます。東京都の助成は税抜の経費で計算するため、税抜と税込の両方を確認します。キャッシュバックや商品券の還元がある場合、その額は助成対象の経費から除く決まりです。

4. 保証の年数と条件

蓄電池の保証は、年数に加えて、何%の容量を保証するか、充放電の回数に上限があるかがメーカーごとに違います。回収年数が保証の年数より長い見積もりでは、保証が切れた後の修理や交換の費用が収支に響きます。年数の読み方は家庭用蓄電池の寿命と交換費用にまとめています。

5. 補助金の申請者と、もらえなかった場合の扱い

だれが申請するか、申請はいつか、交付されなかった場合に契約金額がどうなるかを契約前に確認します。東京都の助成は契約前の事前申込が必要で、国のDR補助金は2026年度の公募を終えています。見積書の「補助金適用後」の金額が、いま受付中の制度で計算されているかを確かめてください。

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セット価格の相場を把握したうえで訪問販売を受けた場合は、その場で契約せずに断るほうが安全です。断り文句と解除ルートは訪問販売の断り方を特商法で整理した記事にまとめています。

よくある質問

太陽光発電と蓄電池のセット価格はいくらですか?

経済産業省の資料の単価で計算すると、既築住宅の5kW+10kWhで約320〜370万円です(補助金なし)。内訳は太陽光150.5万円(30.1万円/kW)と蓄電池170〜220万円(17〜22万円/kWh)です。蓄電池が国の補助事業の価格要件の水準(税込13.75万円/kWh)なら合計は約288万円です。3kW+5kWhなら約159〜200万円、6kW+12kWhなら約346〜445万円になります。

太陽光発電と蓄電池はセットで購入しなければなりませんか?

セット購入は必須ではありません。すでにある太陽光発電に蓄電池を後から足すこともできます。東京都の蓄電池の助成は後付けも対象です。同時設置と後付けの差額は公的な資料で確認できていないため、両方の見積もりで比べてください。

蓄電池は元が取れますか?

当サイトの試算では、補助金なしの場合、電気代の節約だけで蓄電池の費用を回収することはできません。10kWhの費用137.5〜220万円に対し、蓄電池で増える効果は10年で約21.3〜42.7万円です。東京都の助成(10kWhで100万円)を使い、見積もりが税込で約13.6〜17.2万円/kWh以下なら、蓄電池の分を15年以内に回収できる計算になります。停電時に電気を使えることなど、金額以外の目的と合わせて判断する設備です。

補助金は太陽光発電と蓄電池のどちらに出るのですか?

国のDR補助金は蓄電池が対象で、上限は1申請60万円でしたが、2026年度は5月29日に公募を終了しています。国の「みらいエコ住宅2026事業」は、断熱リフォームと組み合わせる場合に蓄電池へ1戸96,000円を補助します。東京都は両方に助成があり、令和8年度は既存住宅の太陽光に12万円/kW(3.75kW超の場合)、蓄電池に10万円/kWh(DR実証に参加しない場合は上限120万円)です。2026年10月7日時点で受付中です。

太陽光だけの家に、後から国のDR補助金で蓄電池を足せますか?

2026年度は申請できません。令和7年度補正のDR補助金は2026年5月29日に交付申請額が予算に達して公募を終了し、SIIは再開の予定はないと告知しています。後付けで補助を受ける場合は、都道府県と市区町村の制度が太陽光を設置済みの住宅を対象にしているかを確認してください。

蓄電池の寿命と交換費用はどのくらいですか?

保証の年数と条件はメーカーと機種で違います。10kWhを入れ直す費用は、この記事の単価で137.5〜220万円で、古い蓄電池の撤去と廃棄の費用は別にかかります。この記事の回収年数には交換費用を入れていません。保証の読み方と使える年数の計算は家庭用蓄電池の寿命と交換費用で扱っています。

太陽光+蓄電池のセットをリースやPPA契約で導入できますか?

初期費用を払わずに月額で使うリースやPPA(電力購入契約)でも導入できます。契約期間中の解約条件、契約が終わった後の設備の扱い、補助金がだれに入るかを契約前に確認してください。詳細は卒FIT後の選択肢比較を参照してください。

リースの月額・総額・解約条件の実例は、ハチドリソーラーの評判・口コミで公式サイトと自治体の登録資料から確認できます。

電力会社に頼らず電気を自給自足するオフグリッドを目指す場合の必要容量と費用は、オフグリッド太陽光+蓄電池で自給自足する費用(2026年版)で独自試算しています。

見積もりを取る前の3ステップ

相場と補助金を押さえてから見積もりを比べる手順
  1. 自分の容量の相場を出す

    太陽光は30.1万円×kW(新築は28.9万円×kW)、蓄電池は17〜22万円×kWhで計算します。5kW+10kWhなら約320〜370万円です。蓄電池は税込13.75万円/kWh(10kWhで137.5万円)を安い側の物差しにします。この金額を持って見積もりを見ると、高いか安いかを自分で判断できます。

  2. 使える補助金を公式ページで確認する

    国のDR補助金は2026年5月29日に公募を終了しています。東京都は受付中で、契約前の事前申込が必要です。都道府県と市区町村の公式ページで、今年度の受付状況・金額・申請の時期を確認してください。

  3. 太陽光のみとセットの両方で、複数社の見積もりを取る

    同じ容量・同じ機種で複数社を比べ、kW単価とkWh単価を分けて見ます。太陽光のみの見積もりも取ると、蓄電池の分にいくら払うのかがはっきりします。蓄電池の1kWhあたりの単価と使える補助金で回収年数が決まるので、回収を重視するか、停電への備えを重視するかを合わせて、蓄電池を足すかどうかを決めてください。

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この記事の執筆: Japan Energy Times 編集部
電気代・再生可能エネルギー・省エネの一次情報(公式統計・料金表・制度資料)を確認して記事を制作しています。
カテゴリ:太陽光発電

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