ソフトバンクでんきとドコモでんきは、電気料金の単価そのものはほぼ同水準だが、セット割引の仕組みが根本的に異なるため、どちらが得かはスマホの契約状況と電気使用量によって変わる。
ソフトバンクでんきとドコモでんきの基本料金比較
両社の電力量料金単価は東京電力エリアで完全に同一だが、ドコモでんきGreenは基本料金がBasicより月500円高い設定になっています。
- ソフトバンクでんきとドコモでんきは通信料とのセット割で月100〜300円前後の割引が受けられる
- 通信セット割の実質恩恵は電気料金単体よりも通信料金の割引として現れるケースが多い
- 年間電気使用量が多い家庭ほどセット割の恩恵が大きく、電気使用量の少ない単身世帯では差が出にくい
以下は東京電力エリア・Mプラン(従量電灯B相当)における2026年3月時点の料金表だ(燃料費調整額・再エネ賦課金は別途)。
| 項目 | ソフトバンクでんき(おうちでんき) | ドコモでんきBasic | ドコモでんきGreen |
|---|---|---|---|
| 基本料金(30A) | 935.25円 | 935.25円 | 1,435.25円 |
| 電力量料金①(〜120kWh) | 29.80円/kWh | 29.80円/kWh | 29.80円/kWh |
| 電力量料金②(121〜300kWh) | 36.40円/kWh | 36.40円/kWh | 36.40円/kWh |
| 電力量料金③(301kWh〜) | 40.49円/kWh | 40.49円/kWh | 40.49円/kWh |
| 主な特典 | おうち割でんきセット(通信費割引) | dポイント還元(最大3%) | dポイント還元(最大12〜14%) |
出典:ソフトバンク公式「料金プラン」・ドコモでんき公式「料金単価表」(2026年3月確認)。
ソフトバンクでんきの料金単価は東京電力従量電灯Bと同一で、節約効果はセット割引から生まれます。一方、ドコモでんきGreenは基本料金が月500円高い分、電気代支払いでのdポイント還元が大きい構造です。
セット割引の金額と適用条件の違い
通信系電力会社(セット割)を使うメリット
- 通信料とのセット割で月100〜300円前後の割引が受けられ、手続きがスマホ1台で完結する
- ドコモでんきGreenはdポイント還元率が最大12〜14%で、電気代支払いがポイント投資になる
- 既存の通信会社との一括管理でサポート窓口が統一され、手間が減る
デメリット・注意点
- 電気料金単価自体は東京電力従量電灯Bとほぼ同水準で、同じ通信会社を使っていない場合は節約効果が薄い
- ドコモでんきGreenは基本料金が月500円高く、電気使用量が少ない単身世帯ではポイント還元が基本料金差を下回る可能性がある
- 電力会社切り替えは解約違約金がかからないケースが多いが、セット割の適用条件が変わると割引が消えるリスクがある
ソフトバンクでんきのセット割は「通信費を毎月110円割引」する仕組みで、ドコモでんきはdポイント還元(最大12〜14%)が主な特典という点で、性格が根本的に異なります。
ソフトバンクでんき「おうち割でんきセット」
ソフトバンクまたはワイモバイルのスマホ・タブレット・固定回線(SoftBank光/Air)を契約しているユーザーが対象。適用されると、対象回線1回線ごとに通信料金が月110円(税込)割引されます。上限は10回線で、割引期間は2年間。3年目以降は1回線あたり月55円に下がる(ソフトバンク公式、2026年3月)。
例えばスマホ2台をソフトバンクで契約していれば、2回線×110円=月220円の通信費節約になります。
ドコモでんき「ドコモでんきセット割」
2025年6月から導入された新制度で、「ドコモMAX」「ドコモポイ活MAX」「ドコモポイ活20」「ドコモmini」などの新料金プランを契約しているドコモユーザーが対象。ファミリー割引グループ内の最大20回線まで、1回線あたり月110円のスマホ料金割引が適用される(NTTドコモ公式、2025年6月〜)。
dポイント還元(ドコモでんきGreenの核心メリット)
ドコモでんきGreenの最大の差別化要素は電気代支払いによるdポイント還元です。東京電力エリアにおける還元率は以下の通り(ドコモでんき公式、2026年3月)。
| dカード種別 | ドコモ新料金プラン契約あり | ガスセット追加時 |
|---|---|---|
| dカードPLATINUM(初年度) | 12% | +2%(最大14%) |
| dカードPLATINUM(2年目以降・月20万円以上利用) | 12% | +2%(最大14%) |
| dカードGOLD/GOLD U | 6% | +2%(最大8%) |
月の一人暮らしの電気代が5,000円で還元率6%なら月300ポイント(1ポイント1円相当)が貯まる計算です。ただし最大還元を受けるには「dカードPLATINUM+ドコモ新料金プラン」という二重の条件を満たす必要があります。
どちらが得かシミュレーション(月の電気使用量別)
実際の節約額は電気使用量とスマホ回線数・契約内容によって大きく異なるため、パターン別に試算しました。
前提条件:東京電力エリア・30Aプラン、基本料金935.25円(Greenは1,435.25円)。比較は月あたりの実質負担差額で計算。
ケース①:一人暮らし(月150kWh)
| プラン | 月額電気代(概算) | 特典(月換算) | 実質月額 |
|---|---|---|---|
| ソフトバンクでんき(回線1本分割引) | 約6,650円 | −110円(通信費割引) | 約6,540円 |
| ドコモでんきBasic(dカードGOLD・3%還元) | 約6,650円 | −200円(ポイント還元) | 約6,450円 |
| ドコモでんきGreen(dカードGOLD・6%還元) | 約7,150円 | −429円(ポイント還元) | 約6,721円 |
一人暮らし・150kWhの場合、Greenは基本料金500円高の影響が大きく、Basicが最も実質負担を抑えやすい。
ケース②:2〜3人家族(月300kWh)
| プラン | 月額電気代(概算) | 特典(月換算) | 実質月額 |
|---|---|---|---|
| ソフトバンクでんき(回線2本分割引) | 約11,160円 | −220円(通信費割引) | 約10,940円 |
| ドコモでんきBasic(dカードGOLD・3%還元) | 約11,160円 | −335円(ポイント還元) | 約10,825円 |
| ドコモでんきGreen(dカードGOLD・6%還元) | 約11,660円 | −700円(ポイント還元) | 約10,960円 |
300kWh帯ではドコモでんきGreenの還元額が500円の基本料金差をほぼ埋める水準になります。dカードPLATINUMで12%還元なら圧倒的にGreenが有利です。
ケース③:4人以上の大家族(月500kWh)
| プラン | 月額電気代(概算) | 特典(月換算) | 実質月額 |
|---|---|---|---|
| ソフトバンクでんき(回線4本分割引) | 約19,273円 | −440円(通信費割引) | 約18,833円 |
| ドコモでんきGreen(dカードGOLD・6%還元) | 約19,773円 | −1,186円(ポイント還元) | 約18,587円 |
| ドコモでんきGreen(dカードPLATINUM・12%還元) | 約19,773円 | −2,373円(ポイント還元) | 約17,400円 |
月500kWh以上の大家族かつdカードPLATINUMを持っているなら、ドコモでんきGreenが圧倒的に有利になります。3LDKファミリー世帯の電気代相場を参考に自分の使用量を確認してください。
通信系電力会社のデメリットと注意点
通信系電力会社には固有のリスクがあり、メリットだけ見て契約すると後悔する可能性があります。
供給エリアの制限
ドコモでんきは沖縄電力エリア非対応。ソフトバンクでんきは東北電力エリアで新規受付を停止している(2026年3月現在)。引越し先エリアによっては継続利用できないケースがあります。
通信契約との紐付きリスク
ソフトバンクでんきのセット割は、ソフトバンク・ワイモバイルの通信契約が前提です。通信会社を乗り換えた場合、電気のセット割も失効します。将来の乗り換えを制約する「囲い込み」効果として機能します。
ドコモでんきGreenの高還元条件の厳しさ
12%還元を受けるには「dカードPLATINUM保有+ドコモ新料金プラン契約」という複数条件を同時に満たす必要があります。dカードPLATINUMは年会費29,700円(税込)がかかるため、電気代ポイント還元だけで元を取ることはできません。
燃料費調整額の変動リスク
通信系電力会社の料金単価は大手電力会社と同水準に設定されているが、電気代の節約を目指すなら燃料費調整額の動向にも注意が必要です。電力市場が高騰した際に撤退・プラン改定をした新電力の前例があります。
ポイント価値の流動性
PayPayポイント・dポイントの価値は還元施策の変更で下がる可能性があります。現金割引と異なり、ポイント還元は将来的な価値保証がない点を認識しておく必要があります。
よくある質問
Q: ソフトバンクでんきとドコモでんきは東京電力と比べて電気代は安くなりますか?
電力量料金の単価は東京電力従量電灯Bと同水準であるため、電気代そのものは変わりません。節約効果はセット割引またはポイント還元のみから生まれます。東京電力エリアの標準的な家庭(月300kWh)では、セット割やポイント還元込みで月200〜700円程度の実質節約が見込める水準です。
Q: ソフトバンクでんきはワイモバイルユーザーでも割引を受けられますか?
受けられます。ワイモバイルのスマホ回線も「おうち割でんきセット」の対象で、1回線あたり月110円(2年間)の割引が適用されます。ワイモバイル回線とソフトバンク光の組み合わせでも同様に適用されます。
Q: ドコモでんきのdポイント還元はいつ付与されますか?
毎月の電気料金の確定後、翌月下旬頃にdポイントが付与されます。dアカウントとドコモでんきの連携設定が完了していることが前提条件です。未連携の状態では還元が適用されないため、申込み時に必ず確認します。
Q: ソフトバンクでんきからドコモでんきに切り替える際の手続きは?
ドコモでんき公式サイトから申込み手続きをするだけで、小売電気事業者の切り替えは自動で行われます。電力会社への解約連絡は不要で、引越し作業や停電も発生しません。切り替えまでの期間は申込みから1〜2カ月程度が目安です。なお、節約を優先する場合は電気代比較サイトでの一括シミュレーションも有効な手段です。
Q: ドコモでんきGreenとBasicはどちらを選ぶべきですか?
月の電気使用量が300kWh以上かつdカードGOLD以上を保有しているなら、Greenを選ぶ価値があります。それ未満の使用量ではGreenの基本料金が月500円高い分をポイント還元で回収しきれず、Basicの方が経済的に優位になります。高齢者世帯など電気使用量が多い家庭ほどGreenが有利な構造です。
自分に合う電力プランの判断基準
ソフトバンクでんきは複数スマホ回線を抱えるソフトバンク・ワイモバイルユーザーに向く。ドコモでんきBasicはdポイントを手軽に貯めたいドコモユーザーに、GreenはdカードGOLD以上を保有し電気使用量が多い家庭に向く。電力量料金は三者同一のため、選択の軸は「通信費割引かポイント還元か」と「自分の電気使用量とdカード保有状況」の掛け合わせで決まる。
- 1現在の電気料金と通信料金を確認する
直近3か月分の電気料金明細を確認し、月平均使用量(kWh)と月額料金を把握する。スマートフォンの通信料金も合わせて確認しておく。
- 2セット割の実額を試算する
ソフトバンク・ドコモ各社の公式サイトでシミュレーションを行い、通信料割引・電気料金割引の両方を合算した実質節約額を計算する。
- 3解約違約金・切り替えコストを確認する
現在の電力会社から切り替える際の違約金や手続き費用を確認する。メリットが解約コストを上回るかを判断してから乗り換えを決める。
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