BREEAMは1990年に英国で開発された世界初の建築物環境性能評価制度です。BREの集計では、認証は106万件超(建物数。住宅向けのCode for Sustainable Homesを含む)、登録は108カ国に広がっています。日本ではCASBEEが主流です。BREEAM認証の取得は外資系不動産や国際テナント向け物件に限られています。

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主要な環境性能評価制度の比較
メリット
- BREEAMは1990年開発の世界初の建築物環境性能評価制度で、認証は106万件超(住宅向けを含む建物数)、登録は108カ国に広がっており、欧州の投資家やテナントへの説明に使いやすい
- 東京23区のオフィスビルを対象にしたザイマックス不動産総合研究所の分析(2015年公表)では、国内の環境認証を持つビルの新規成約賃料は約4.4%高い。ESG投資の拡大で環境認証への関心は高まっている
- BREEAMはエネルギー・水・資材・廃棄物・生態系など複数カテゴリの総合評価制度であり、単なる省エネ認証にとどまらない建物ライフサイクル全体の持続可能性を可視化できる包括的な枠組みとして機能する
デメリット・注意点
- 日本での認証はBREの公開リストで26件にとどまり、CASBEEが自治体の建築行政と連動して大規模建築物への届出義務を持つ一方、BREEAMは行政上のメリットが存在せず、大部分の国内建物にとって取得動機が薄い
- 認証にはBREへの登録・認証料に加えて評価員(アセッサー)への報酬がかかり、英語資料の準備・国際基準との照合という実務負担も大きい
- 評価基準が英国の気候・建築慣行を前提としており、日本の高温多湿な気候や木造住宅の伝統と合致しない項目がある
- BREEAMは認証106万件超(住宅向けを含む建物数)・登録108カ国の英国発の建築物環境性能評価制度。外資系テナントが入居する商業施設や国際規格を求める不動産開発で需要がある
- 日本ではCASBEE(国内向け)とLEED(北米発、国際認知度高)が主流。BREEAMは外資不動産・ESG投資家向けの限られた用途で使われている
- 認証取得には費用と英語での資料準備が必要。国際テナントを誘致する必要がある場合に限り費用対効果が生まれる
世界には複数の評価制度が存在し、それぞれ特徴が異なります。
| 制度名 | 発祥国 | 開始年 | 認証件数(世界) | 日本での普及度 |
|---|---|---|---|---|
| BREEAM | 英国 | 1990年 | 106万件超(住宅向けを含む建物数) | 低(BREの公開リストで26件) |
| LEED | 米国 | 1998年 | 約11.8万件(2025年5月) | 中(319件・増加傾向) |
| CASBEE | 日本 | 2001年 | 国内のみ(認証物件はIBECsが一覧で公表) | 高(自治体連動) |
| BELS | 日本 | 2014年 | 国内のみ | 高(省エネ特化) |
BREEAMの評価基準と仕組み
BREEAMは複数のカテゴリで建物の環境性能を総合評価します。
エネルギー、健康・快適性、交通、水、資材、廃棄物、土地利用・生態系、汚染、マネジメント、イノベーションなどの分野です(BREの公式サイトは、資源とレジリエンスを加えた12カテゴリを掲げています)。評価結果はPass、Good、Very Good、Excellent、Outstandingの5段階で格付けされます。運用中の建物を対象にしたIn-Useには、その下にAcceptableがあります。
エネルギー効率の評価比重が高く、LED照明の効率や空調システムの省エネ性能が重要な評価項目となります。
日本でBREEAMが普及しにくい理由
- 1テナント・投資家の要求を確認する
国内法人テナントが中心ならCASBEE、欧米系多国籍企業や国際ESG投資家が対象ならLEEDまたはBREEAMが適切。認証の目的を明確化してから選定する。
- 2認証コストと取得期間を試算する
費用は申請料・審査料のほか、評価員やコンサルタントへの報酬、英語資料の準備(LEED・BREEAM)がかかる。金額は規模と用途で大きく変わるため、複数の認証機関・コンサルタントから見積もりを取る。
- 3環境性能の改善計画を立てる
断熱・再エネ設備・BEMS(エネルギー管理システム)の導入が評価項目の核心。認証は「結果の証明」であり、まず建物の省エネ性能を高めることが先決。
日本でBREEAM認証が少ない理由は3つあります。
第一に、CASBEEが自治体の建築行政と連動しているためです。多くの自治体が大規模建築物にCASBEE評価の届出を義務付けています。BREEAMを取得しても行政上のメリットがありません。
第二に、評価基準が英国の気候・建築慣行を前提としていることです。日本の高温多湿な気候や木造住宅の伝統と合致しない項目があります。
第三に、認証コストと手間です。評価員(アセッサー)への依頼と英語での資料準備が必要で、国内の制度より負担が大きくなります。
日本でBREEAMが選ばれるケース
BREEAM認証を取得するのは限定的なケースです。
外資系不動産ファンドが保有する物件では、グローバルな投資家への説明にBREEAMやLEEDが求められます。
ZEH住宅の普及が進む住宅分野では、BELSの方が実用的な認証として機能しています。
LEEDとBREEAMの違い
LEEDは米国発の制度で日本でも認証が増加しています。
| 項目 | BREEAM | LEED |
|---|---|---|
| 評価方式 | 地域適応型(国別基準) | グローバル統一基準 |
| 日本での認証数 | 26件(BREの公開リスト・2026年10月) | 319件(2025年5月) |
| 主な取得者 | 外資系不動産 | 外資系+国内大手 |
| 運営団体 | BRE(英国) | USGBC(米国) |
Green Building Japan(GBJ)の集計では、日本のLEED認証は2020年の167件から2025年5月の319件へ増えています。BREEAMは、BREの公開リストに載っている日本の認証が26件です(2026年10月7日時点。非公開の案件を除く)。すべて運用中の建物を対象にしたIn-Useで、18件は外資系の運用会社が保有する物流施設などです。
環境認証が建物の価値に与える影響
環境認証を持つ建物はテナント誘致と資産評価で優位性があります。
ザイマックス不動産総合研究所が東京23区のオフィスビルを分析した研究(2015年公表)では、規模・築年・立地などの影響を除いても、環境認証(CASBEE、DBJ Green Building認証など)を持つビルの新規成約賃料は約4.4%高いという結果でした。ESG投資の拡大で環境認証への関心は高まっています。高効率モーターの省エネ効果など、設備面の改善も認証取得に寄与します。
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よくある質問
Q: BREEAMとCASBEEはどちらを取得すべきか?
国内のみで運用する建物ならCASBEEで十分です。海外投資家やグローバルテナントを対象とする場合はLEEDまたはBREEAMを検討します。
Q: BREEAM認証の取得費用はいくらか?
BREに支払う登録料・認証料と、評価員(アセッサー)に支払う報酬の合計で決まり、評価の規模や建物タイプで変わります。日本語で公表された目安額は確認できなかったため、評価員から見積もりを取ってください。
Q: 日本でBREEAMの認証件数は増えるのか?
大幅な増加は見込みにくい。CASBEEが自治体と連動し、LEEDが国際認知度で優位な中、BREEAMが日本で独自のポジションを確立するのは困難です。
Q: 住宅向けのBREEAMはあるか?
英国内の新築住宅向けに「BREEAM UK New Construction: Residential」があり、運用中の集合住宅などはIn-Useの住宅版で評価できます。ただし日本の住宅市場ではBELSやZEH認定の方が補助金と連動しており、実用的な選択肢です。
Q: 環境認証を取ると固定資産税は安くなるか?
環境認証そのものでの税制優遇はありません。ただしZEH基準を満たす住宅は住宅ローン減税の優遇を受けられます。
環境認証の選び方と日本市場の展望
BREEAMは世界的な実績を持つ優れた制度だが、日本市場ではCASBEEとLEEDが主流です。環境認証の取得を検討する際は、投資家・テナントの国際性と自治体の要件を基準に選ぶべきです。住宅を新築する場合は建築基準法の省エネ要件を確認し、ZEH認定やBELSの取得を優先することを勧めます。