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地熱発電の設置費用はいくら?建設コストと開発期間を分析

更新: 2026/10/07執筆: Japan Energy Times 編集部
再生可能エネルギー
地熱発電の設置費用はいくら?建設コストと開発期間を分析

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地熱発電所の建設には1kWあたり80〜120万円以上かかる

メリット

  • 設備利用率は70〜80%台(国の発電コスト検証の想定は83%)で、事業用太陽光(約18%)や陸上風力(約30%)より安定したベースロード電源となる
  • 発電時のCO2排出が実質ゼロで、地熱資源が豊富な日本(世界第3位の地熱資源量)の強みを生かせる
  • バイナリー発電(小規模型)は3〜10億円程度で建設でき、温泉地の低温熱水も活用できるため分散型電源に適する
  • 掘削・蒸気生産設備の寿命は適切な管理下で30〜50年に達し、長期にわたる安定収益が期待できる

デメリット・課題

  • 1kWあたり約80〜120万円以上の建設費は太陽光(25〜30万円)の3〜5倍。3万kW規模で約237億円(79万円/kW)の投資が必要
  • 空井戸リスクが完全には排除できず、1本あたり数億円の掘削費が回収不能になる可能性がある
  • 大型の発電所で地表調査から運転開始まで10年以上かかるリードタイムは、太陽光・風力と比べて長い
  • 環境アセスメント(7,500kW以上が対象・一部例外)に約2年かかり、温泉地・国立公園近傍への立地制約と住民反対が事業を長期化・頓挫させるリスク
ポイント
  • 国が想定する建設費は3万kW規模で79万円/kW(約237億円)、1.5万kW未満の小規模では123万円/kW
  • 環境影響評価と各種許認可を含めた開発期間は大型の発電所で10年以上と長期にわたる
  • バイナリー発電(小規模型)は3〜10億円程度で建設でき開発期間も短縮できる

地熱発電所の建設費は1kWあたり約80〜120万円以上です。国がFIT・FIPの価格を決めるときの想定値は、1.5万kW以上の大規模で79万円/kW、1.5万kW未満の小規模で123万円/kWです(調達価格等算定委員会)。3万kW規模の発電所なら約237億円(79万円×3万kW)になります。この金額は太陽光発電(住宅用で1kWあたり25〜30万円)や陸上風力発電(1kWあたり30万円台)と比べて高いです。

建設費の中で大きな割合を占めるのは、井戸の掘削と蒸気を取り出す設備です。資源エネルギー庁は井戸1本の掘削に数億円かかると説明しており、生産井と還元井を複数本掘る必要があります。次の節の表は、国の発電コスト検証が示した地熱の発電コスト(1kWhあたり・2023年に新設する場合)の内訳です。

地熱発電が他の再エネと比較して初期投資が高い理由は、地下資源の探査・開発に膨大なコストと時間がかかるためです。地表調査から発電開始までのリードタイムは大型の発電所で10年以上に及び、この長い開発期間も投資リスクを高める要因となっています。

発電コストの内訳構造

費用項目円/kWh備考
資本費5.8建設費・固定資産税・廃棄費用
運転維持費5.1人件費・修繕費など
政策経費5.5調達価格の想定IRRに相当する分など
合計16.4幅は16.1〜16.8円。資本費と運転維持費だけなら10.9円

掘削費が建設コストの最大リスク要因である理由

地熱発電の掘削は、石油・ガスの掘削と同等の技術と設備を必要とします。地下2,000m級の掘削には大型掘削リグが必要であり、1本あたりの掘削に3〜6ヶ月を要します。

最大のリスクは、掘削しても十分な蒸気・熱水が得られない「空井戸」の発生です。空井戸のリスクは地質調査の精度に依存するが、完全に排除することはできません。空井戸が発生した場合、1本あたり数億円の掘削費が回収不能となります。このリスクが、地熱発電への民間投資を躊躇させる最大の障壁です。

JOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)は空井戸リスクの軽減策として、初期調査の費用を助成しています。助成率は地表調査が3分の2以内、坑井の掘削調査が2分の1以内(自然公園の特別地域内は3分の2以内、地元の地熱開発法人などは4分の3以内)です(令和8年度の実施細則)。このほか、噴気試験などの探査に必要な資金への出資(50%まで)と、発電所建設の融資に対する債務保証(融資額の80%まで)があります。

掘削技術の進歩により空井戸リスクは低減傾向にあるが、完全に排除することは原理的に不可能です。三次元地震探査やMT法(磁気テルル法)などの物理探査技術の精度向上が、空井戸率の低下に寄与しています。しかし、地下数千メートルの地熱貯留層の詳細な構造を地表から完全に把握することには限界があります。この不確実性が、地熱発電投資のリスクプレミアムを他の再エネより高くする根本的な要因です。

開発リードタイムは10年以上を要する

1万kWを超える大型の地熱発電所は、地表調査から運転開始まで10年以上かかります(JOGMEC)。資源エネルギー庁の資料(2025年10月)は、初期調査に約3〜5年、探査に約1〜2年、環境アセスメントに約2年、発電設備の設置などの開発に約1〜3年という目安を示しています。4つの段階を足すと約7〜12年で、地元との調整や追加の調査が入るとこれより延びます。

開発フェーズの時系列

フェーズ期間主な活動JOGMECの支援
初期調査約3〜5年地表調査(地形・地下構造・熱)、掘削調査(温度・蒸気・熱水)助成金(地表調査3分の2・掘削調査2分の1など)
探査事業約1〜2年噴気試験などで蒸気・熱水の量を確認出資(50%まで)
環境アセスメント約2年環境影響評価(7,500kW以上が対象・一部例外)—
開発事業約1〜3年生産井・還元井の掘削、発電設備の設置債務保証(融資額の80%まで)

環境アセスメントが開発期間を長期化させる

地熱発電の適地は温泉地や国立公園の近傍に集中しています。環境アセスメントでは、温泉への影響評価、自然環境への影響評価、景観評価が求められます。環境影響評価の手続きには約2年かかり(資源エネルギー庁の資料。7,500kW以上が対象・一部例外)、地元との調整が難航すればさらに長期化します。

2012年の規制緩和により、国立公園内での地熱開発が条件付きで認められるようになったが、実際の開発許可の取得は依然としてハードルが高いです。温泉事業者との合意形成が特に困難であり、「地熱開発が温泉の枯渇を招く」という懸念が根強いです。科学的なモニタリングデータに基づく対話が不可欠です。

リードタイム短縮への取り組み

開発期間の短縮は、地熱発電の普及にとって最重要課題の一つです。政府は環境アセスメント手続きの迅速化を検討しており、「前倒環境調査」の活用が推奨されています。事業者が環境アセスメントの正式手続き前に任意で調査を開始し、データを蓄積する方法です。

技術面では、傾斜掘削技術の進歩により、温泉地や住宅地の直下にある地熱資源を、離れた場所から斜めに掘削してアクセスする手法が実用化されています。これにより、立地制約の緩和と開発期間の短縮が同時に期待できます。地熱システムの設置技術は小規模な地中熱利用にも応用されています。

バイナリー発電の活用も開発期間短縮の手段となります。バイナリー発電は100〜150度の低温熱水でも発電可能であり、温泉地の既存井戸を活用できるため、掘削リスクと開発期間を大幅に削減できます。出力は数百kW〜数MW級と小規模だが、地域分散型のエネルギー供給に適しています。

LCOEは16.1〜16.8円/kWh(2023年・政策経費あり)

地熱発電開発プロセスの3つのフェーズ
  1. 1
    初期調査フェーズ(約3〜5年)

    地質調査・地化学調査・物理探査で地熱資源量を推定する。この段階でのリスクが最大で、試掘失敗による費用損失が開発断念の最大要因になる。

  2. 2
    探査・環境アセスメントフェーズ(約3〜4年)

    噴気試験で蒸気・熱水の量を確認し、環境アセスメントを進める。地元温泉業者や国立公園規制との調整が長期化の主因。保全指定地外の立地選定が重要。

  3. 3
    開発・建設フェーズ(約1〜3年)

    生産井・還元井の掘削とタービン・発電機・パイプラインの建設、試運転調整。設計通りの熱水が得られない場合の出力調整とランニングコスト管理が収益性を左右する。

地熱発電の均等化発電原価(LCOE)は、発電コスト検証ワーキンググループのとりまとめ案(2025年1月)で、2023年に新設する場合に16.1〜16.8円/kWh(政策経費あり)、政策経費を除くと10.9円/kWhと試算されています。モデルプラントは3万kW・設備利用率83%・稼働40年で、建設費は79万円/kW、運転維持費は年3.3万円/kWです。

16.1〜16.8円/kWhという数字は、事業用太陽光(10.9円/kWh)より高く、陸上風力(16.3円/kWh)とほぼ同じ水準です。しかし、地熱発電は設備利用率70〜80%台で24時間稼働するベースロード電源であり、蓄電池やバックアップ電源のコストを含めた「システムLCOE」で比較すれば、太陽光や風力との差は縮小します。

コストが下がりにくい要因

発電コスト検証は、地熱について技術や量産効果によるコスト低減が見られていないとして、2040年のモデルプラントにも2023年と同じ諸元を置いています。コストが下がりにくい要因は3つあります。第一に、掘削費です。掘削リグや掘削技術者の需給逼迫により、掘削単価が上昇しています。世界的な地熱開発の活発化と石油・ガス開発との人材・設備の競合が背景にあります。掘削リグの使用料は1日あたり数百万円に達し、掘削期間の長期化がコスト増に直結します。

第二に、資材価格の上昇です。鉄鋼・銅・セメントなどの建設資材価格が2020年以降大幅に上昇しており、発電所の建設コストを押し上げています。特に耐熱・耐食性を求められる地熱用特殊鋼管の価格上昇は顕著です。

第三に、環境対策費の増加です。環境アセスメントの要求水準が高度化し、モニタリング設備や環境保全措置のコストが増加しています。温泉モニタリング井の設置と長期モニタリングの費用は、年間数千万円規模になることもあります。

LCOE16.1〜16.8円/kWhは事業用太陽光より高いが、地熱発電は燃料費ゼロで長く稼働でき、50年程度運転を続けている発電所が国内に複数あります(調達価格等算定委員会)。設備の長寿命化と掘削技術の進歩が、将来のLCOE低減につながる可能性があります。

他の再エネとのLCOE比較

発電方式LCOE(円/kWh)設備利用率特性
地熱発電16.1〜16.883%ベースロード・24時間稼働
太陽光発電(事業用)10.918.3%昼間のみ・変動性
陸上風力16.329.6%変動性・立地制約
洋上風力(着床式)30.930%大規模・高建設費
バイオマス(専焼)32.987%燃料費あり・安定稼働

出典:発電コスト検証ワーキンググループ「発電コスト検証に関するとりまとめ(案)」(2025年1月)。2023年に新設する場合・政策経費あり。設備利用率は同資料のモデルプラントの想定値。

太陽光発電の電気代効果と比較すると、地熱発電のLCOEは高く見えるが、設備利用率70〜80%台という安定性は太陽光にない決定的な優位性です。

FIT・FIPの価格は3万kW以上で26円/kWhである

地熱発電(新設)の調達価格・基準価格は、2025年度は1.5万kW以上が26円/kWh、1.5万kW未満が40円/kWhでした。2026年度は1,000kW未満が40円/kWh、3万kW以上が26円/kWhで、その間は出力に応じて価格が連続的に変わります。1,000kW以上の新規認定はFIPだけが対象で、26円はFIPの基準価格です。調達期間・交付期間は15年間です。小規模な地熱発電ほど高い価格が設定されています。

FIP制度への移行と2026年フォーミュラ方式

2026年度から、地熱発電の価格に「フォーミュラ方式」が導入されました。1,000kWから3万kWの範囲で、出力が大きくなるほど価格が40円から26円へ連続的に下がる決め方です。FIP(Feed-in Premium)は、FITの固定価格買取とは異なり、市場で売った収入にプレミアムを上乗せする制度です。

FIPのプレミアムは、基準価格から市場価格をもとにした参照価格を差し引いて決まります。市場価格が上昇すればプレミアムは縮小し、市場価格が下落すればプレミアムが拡大する仕組みです。

FIP移行の狙いは、発電事業者に市場シグナルを反映させ、電力需要が高い時間帯の発電を促すことです。地熱発電はベースロード電源であり出力調整の柔軟性は限られるが、計画保全のタイミングを電力需要の低い時期に集中させるなどの工夫が求められます。

FIP制度への移行は、地熱発電事業者にとって収益構造の変化を意味します。FITでは固定価格で15年間の収入が保証されていたが、FIPでは市場価格の変動リスクを一部事業者が負担します。この変化に対応するため、電力先渡契約やヘッジ手法の活用が重要になります。水素ステーションの建設コストのような新規エネルギーインフラとの連携可能性も視野に入れた事業戦略が求められる時代に入っています。

投資回収シミュレーション

3万kW級の地熱発電所(建設費237億円、FIPの基準価格26円/kWh、設備利用率75%)の場合、年間売電収入は約51億円(3万kW×8,760h×75%×26円)となります。運転維持費を年間約10億円(国の想定値3.3万円/kW×3万kW)と置くと、年間のキャッシュフローは約41億円です。

建設費237億円の回収には約6年を要する計算です(237億円÷41億円)。借入の返済と利息、税、運転開始までの調査費と掘削の失敗分を含めていない単純計算で、実際の回収はこれより長くなります。国は地熱の価格を決めるとき、事業リスクが高いことを踏まえてIRR13%を想定しています。交付期間15年の中で回収を終えるには、設備利用率を高く保つことが条件になります。

小規模な地熱発電ほど価格は高く、2026年度は1,000kW未満が40円/kWh、1.5万kWで約33.2円/kWhです(算定委の式による計算)。バイナリー発電による数百kW級の案件は、建設費数億〜十数億円で開発可能であり、投資リスクを抑えたい事業者に適しています。

運営コストの構造

地熱発電の年間運営費は、売電収入の20〜30%が目安です。主な費目は、蒸気井の維持管理費(追加掘削・修繕)、タービン保守費、配管のスケール除去費、人件費、保険料です。

地熱発電特有のコストとして、蒸気井の生産量低下への対応があります。稼働年数が経過すると蒸気の生産量が徐々に低下するため、追加井戸の掘削(メイクアップウェル)が必要になります。この追加掘削費は1本あたり数億円と高額であり、長期的な事業計画に織り込んでおく必要があります。

スケール(配管内に堆積する鉱物質)の除去も重要なコスト項目です。地熱流体に含まれるシリカやカルシウムが配管内壁に付着し、流体の流れを阻害します。定期的な酸洗浄や機械的除去が必要であり、年間数百万〜数千万円のコストが発生します。

日本の地熱資源ポテンシャルと開発状況

日本の地熱資源量は約2,347万kWで世界第3位だ(資源エネルギー庁)。しかし、実際に導入されているのは約65万kW(2025年3月末)に過ぎず、資源量に対する割合は約2.8%に留まっています。

開発が進まない3つの構造的障壁

第一に、温泉事業者との利害対立があります。地熱開発の適地の約8割が温泉地と重複しており、温泉事業者は「地熱開発が温泉の枯渇を招く」と強く反対するケースが多いです。科学的には地熱発電と温泉は異なる深度の資源を利用するケースが大半だが、過去に温泉温度や湧出量に影響が出た事例がわずかながら存在するため、懸念を完全に払拭するのは困難です。温泉モニタリングの実施と情報公開の徹底が、信頼構築の第一歩となります。

第二に、国立公園規制があります。地熱資源の約8割が国立・国定公園内に分布しています。2012年の規制緩和で第2種・第3種特別地域での開発が条件付きで可能となったが、景観保護の観点から厳しい制約が残る。

第三に、リスクマネーの不足があります。10年以上のリードタイムと空井戸リスクを許容できる投資家は限られます。地中熱利用の入門のような小規模な地熱利用から普及を進め、地熱エネルギーへの理解を社会的に深めていくアプローチも有効です。

有望な開発プロジェクトの動向

2019年以降に運転を始めた主な発電所として、岩手県八幡平市の松尾八幡平(7,499kW・2019年1月)、秋田県湯沢市の山葵沢(46,199kW・2019年5月)、岩手県八幡平市の安比(14,900kW・2024年3月)、北海道函館市の南茅部(6,500kW・2024年5月)があります(JOGMEC)。

超臨界地熱発電の研究開発も進んでいます。地下深部の超臨界水(374度以上・22MPa以上)を利用する技術で、通常の地熱発電の5〜10倍の出力が期待できます。NEDOが中心となって技術開発が進められており、2040年代の実用化を目指しています。

世界の地熱開発との比較

2020年時点の地熱発電設備容量は、米国(370万kW)、インドネシア(約229万kW)、フィリピン(約192万kW)が上位を占めます。日本は55万kWで世界第10位です(WGC 2020 Update Report、JOGMEC掲載。前の節の約65万kWは2025年3月末の国内の導入量で、時点と集計が違います)。

インドネシアは地熱発電の急速な拡大を進めており、設備容量をさらに増やす計画を掲げています。フィリピンは1970年代から地熱開発を積極的に推進し、国内電力の約12%を地熱で賄っています。これらの国々と比較すると、世界第3位の資源量を持つ日本の導入割合(約2.8%)は著しく低いです。

アイスランドは小国ながら地熱発電で国内電力の約25%を供給し、残りの75%を水力で賄う再エネ100%を実現しています。アイスランドのモデルは、北欧の再エネ比率比較の文脈でも参考になります。地熱と水力の組み合わせによるベースロード電源の確保は、日本の東北・北海道地域でも応用可能な戦略です。

地熱発電投資の判断に必要な情報源

地熱発電の投資判断には、技術・制度・地域情報を総合的に評価する必要があります。

資源エネルギー庁の地熱関連資料

FIT・FIP制度の最新動向、買取価格の改定方針、地熱開発の促進策に関する情報を提供しています。調達価格等算定委員会の議事録から、コストデータと制度設計の方向性を把握できます。

JOGMECの地熱資源情報

JOGMECは地熱資源のデータベース、助成制度の情報、技術ガイドラインを公開しています。掘削助成制度の申請方法や、リスク評価手法の技術情報が取得可能です。水素エネルギーのコスト分析と合わせて、日本のエネルギー投資全体の中での地熱の位置づけを把握することが重要です。

日本地熱協会の業界情報

日本地熱協会は業界団体として、地熱発電の技術動向、開発プロジェクト情報、国際動向のレポートを発行しています。会員企業のネットワークを活用した情報収集が可能です。国内の発電所ごとの出力と運転開始日は、JOGMECの「日本の地熱発電」の一覧でも確認できます。

発電コスト検証ワーキンググループの報告書

LCOEの試算根拠と前提条件が詳細に記載されています。2025年1月のとりまとめ案には、地熱発電のモデルプラントの諸元(3万kW・設備利用率83%・建設費79万円/kW)と発電コストの内訳が示されており、投資判断の重要な参考資料です。グリーン水素の製造コストなど他のクリーンエネルギー技術との比較も投資判断に有用です。

よくある質問

あわせて読みたい洋上風力発電の建設費は?陸上風力とのコスト比較【2026年版】
地熱発電所の建設費はいくらか?
1kWあたり約80〜120万円以上です。国の想定値は大規模で79万円/kW、小規模で123万円/kW(調達価格等算定委員会)で、3万kW規模なら約237億円になります。井戸の掘削には1本あたり数億円かかります(資源エネルギー庁)。
開発にはどれくらいの期間がかかるか?
大型の地熱発電所で10年以上です(JOGMEC)。資源エネルギー庁の資料では、初期調査に約3〜5年、探査に約1〜2年、環境アセスメントに約2年、開発に約1〜3年が目安です。
地熱発電のLCOEはいくらか?
16.1〜16.8円/kWhです(発電コスト検証WG・2023年に新設する場合・政策経費あり)。事業用太陽光(10.9円)より高く、陸上風力(16.3円)とほぼ同じ水準です。設備利用率の高いベースロード電源としての価値も考慮する必要があります。
FIT・FIPの価格はいくらか?
2025年度は1.5万kW以上で26円/kWh、1.5万kW未満で40円/kWhでした。2026年度は1,000kW未満が40円/kWh、3万kW以上が26円/kWhで、その間は出力に応じて連続的に価格が変わるフォーミュラ方式です(1.5万kWなら約33.2円/kWh)。1,000kW以上の新規認定はFIPだけが対象です。
日本の地熱資源ポテンシャルはどれくらいか?
約2,347万kWで世界第3位だ(資源エネルギー庁)。実際に導入されているのは約65万kW(2025年3月末)で、資源量の約2.8%に留まる。温泉事業者との利害対立、国立公園規制、リスクマネー不足が開発の主な障壁です。
空井戸リスクにはどう対処すべきか?
JOGMECの掘削助成制度を活用し、リスク軽減を図るのが基本戦略です。掘削調査の助成率は2分の1以内(自然公園の特別地域内は3分の2以内、地元の地熱開発法人などは4分の3以内)です。地表調査の精度向上と段階的な掘削計画により、空井戸リスクを最小化できるが、完全に排除することはできません。
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この記事の執筆: Japan Energy Times 編集部
電気代・再生可能エネルギー・省エネの一次情報(公式統計・料金表・制度資料)を確認して記事を制作しています。
カテゴリ:再生可能エネルギー

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