「太陽光発電 おすすめしないメーカー」と検索すると、保証が不透明な会社や大型パネル中心の会社を避けるように、という一般論が並びます。具体的にどこなのかは書かれていません。実際に国内で太陽電池の生産をやめた大手は3社あり、3社とも公式文書で「何を終了し、何を継続するか」を明記しています。その原文を読むと、ネット上で言われている話とは違うことが書いてあります。公式リリースとPDFを実際に取得して整理しました。
- 生産をやめた3社とも、保証は継続すると公式に書いています。三菱電機は「保証内容に関し、従来から変更はございません」、ソーラーフロンティアは「保証内容に関しては従来から変更なく…継続いたします」と明記しています
- 「撤退」の中身は会社ごとに違います。パナソニックは生産から撤退した一方で「国内外における太陽電池の販売は継続します」と書いており、国内は生産委託によるパナソニックブランドでの販売を続けています
- したがって確認すべきは「撤退したかどうか」ではありません。保証書に書かれた年数と対象、窓口が今どこか、そして販売中の製品が自社生産か委託生産かの3点です
- パネルの大きさが屋根に合うかは、メーカー名ではなく公式スペックシートの寸法と屋根の形で決まります
生産をやめた3社が、公式文書に何と書いているか
国内で住宅用太陽電池の生産・販売を終了した大手は、パナソニック・三菱電機・ソーラーフロンティアの3社です。各社の公式リリースを並べます。
| メーカー | 公表日 | 終了したこと | 継続すると書かれていること |
|---|---|---|---|
| パナソニック | 2021年2月1日 | 太陽電池の生産(マレーシア工場・島根工場/2021年度中) | 国内外の販売/国内は生産委託によるパナソニックブランド/島根工場のパワーコンディショナ・蓄電池の生産 |
| 三菱電機 | 2019年11月15日 | 当社ブランド太陽光発電システムの製造・販売 | アフターサービス体制(従来から変更なし)/保証内容(従来から変更なし)/技術相談センターの窓口 |
| ソーラーフロンティア | 2021年10月19日 | CIS太陽電池モジュールの生産(2022年6月末を目途) | 保証内容(従来から変更なし)/アフターメンテナンス |
パナソニック|生産からは撤退したが、販売は続いている
パナソニックの2021年2月1日のリリースには、生産終息と販売継続が同じ文書に書かれています。
「マレーシア工場および島根工場における太陽電池の生産終息を決定しました。これにより、当社は2021年度中に太陽電池の生産から撤退し、事業構造改革を完了させます。尚、国内外における太陽電池の販売は継続します。」
「今後も、国内では、太陽電池の生産委託などによるパナソニックブランドでの販売を継続し、海外では、北米などで実施している太陽電池の外部調達による販売を継続します。」
— パナソニック株式会社「太陽電池の生産撤退について」(2021年2月1日)
読み落とされやすいのはここです。パナソニックのパネルは今も買えますが、それは自社工場で作ったものではなく生産委託品です。注記では「住宅用、公共・産業用太陽電池の生産を終息」とされ、二色の浜工場の特定顧客向けと福島工場の民生用(時計・電卓向けなど)は対象外と書かれています。
島根工場については「太陽電池セルの生産を終息しますが、パワーコンディショナ、蓄電池などの生産は継続します」と明記されています。パワーコンディショナは太陽光発電で10〜15年ごとに交換が必要な機器なので、ここが国内生産で残っている点は確認する価値があります。
三菱電機|製造・販売は終了、保証と修理窓口は従来どおり
三菱電機は2019年11月15日付のPDFで、終了後の対応を具体的に書いています。
「アフターサービス体制に関し、従来から変更はございません。修理受付窓口は「三菱電機修理受付センター」にて対応させて頂きます。また当社ブランド太陽光発電システムに関するお問い合わせ対応として、販売終了以降も「三菱太陽光発電技術相談センター」の窓口を継続致します。」
「保証内容に関し、従来から変更はございません。ご購入頂いたシステムの保証書記載内容に基づき、今後も継続させて頂きます。」
— 三菱電機株式会社「当社ブランド太陽光発電システムの製造・販売終了について」(2019年11月15日・PDF)
この文書には問い合わせ窓口の電話番号と受付時間まで記載されています。製造をやめた会社が窓口を閉じるとは限りません。
ソーラーフロンティア|2022年6月末で生産終了、保証とメンテは継続
「この度、弊社はCIS太陽電池モジュールの生産を2022年6月末を目途に終了することとなりました。」
「CIS太陽電池モジュールの生産終了後も、保証内容に関しては従来から変更なくご購入頂いた製品の保証書記載内容に基づき継続いたします。また、アフターメンテナンスに関しても弊社にて継続して対応してまいります。」
— ソーラーフロンティア「CIS太陽電池モジュール生産終了後の保守・保証対応について」(2021年10月19日)
問い合わせ先は「製品をご購入頂きました販売店様もしくは弊社お客様サービスセンター」と案内されています。販売店が先に書かれている点は実務上重要です。施工した会社が廃業していると、窓口が実質1つ減ります。
3社の文書から読み取れること
「生産をやめた会社の製品は保証が受けられない」という説明は、少なくともこの3社の公式文書とは一致しません。3社とも保証書の記載内容どおりに継続すると書いています。
一方で、文書を読むと別の論点が出てきます。
- 保証を実際に使うとき、窓口はメーカーと販売店のどちらか。ソーラーフロンティアは販売店を先に案内しています。
- パネルが故障したとき、同じ型番の交換品があるか。生産終了後は在庫か後継品での対応になります。
- いま販売されている製品が自社生産か委託生産か。パナソニックは委託生産と公表しています。
この3点は、メーカー名では決まりません。見積書と保証書に書いてあります。
| 確認したいこと | どこに書いてあるか |
|---|---|
| 保証の年数と対象 | 保証書。モジュールの出力保証・機器保証・施工保証は別々に書かれています |
| 窓口がメーカーか販売店か | 各社の生産終了告知と保証書。三菱電機は窓口の電話番号と受付時間を公表、ソーラーフロンティアは「販売店様もしくは弊社お客様サービスセンター」と案内 |
| 現行品か生産終了品か | メーカー公式サイトの製品ページ・終売品ページ |
| パネル1枚の寸法 | メーカー公式のスペックシート(営業資料ではなく型番で引く) |
「大型パネルは日本の屋根に合わない」をどう確認するか
パネルの寸法が屋根に合うかどうかは、メーカーの良し悪しではなく、屋根の形と面積で決まります。日本の住宅に多い寄棟屋根や、面が細かく分かれた屋根では、大きいパネルほどデッドスペースが増えます。
確認する方法は決まっています。見積書に書かれた型番を公式サイトのスペックシートで引き、1枚あたりの寸法(幅×高さ)と枚数を自分の屋根の面に当てはめます。小型パネルを組み合わせる提案なら、その分だけ施工費が増えていないかも見ます。
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-
保証書の年数と対象を分けて読む
モジュール(パネル)の出力保証、機器保証、施工保証は別物です。年数だけでなく、何が対象で何が免責かを確認します。
-
保証の窓口がどこかを聞く
メーカー窓口か、施工した販売店か。販売店経由の場合、その会社が10年後も営業している前提になります。
-
型番を公式サイトで引く
寸法・出力・保証年数を、営業資料ではなくメーカー公式のスペックシートで確認します。生産終了品かどうかもここで分かります。
-
パワーコンディショナの交換費用を確認する
10〜15年で交換が必要な機器です。交換時の費用と、その時点で後継機があるかを見積もり段階で聞いておきます。
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よくある質問(FAQ)
パナソニックの太陽光パネルはもう買えないのですか?
買えます。パナソニックは2021年2月1日のリリースで太陽電池の生産からの撤退を公表しましたが、同じ文書に「国内外における太陽電池の販売は継続します」と書かれています。国内では「太陽電池の生産委託などによるパナソニックブランドでの販売を継続」とされており、販売されている製品は生産委託によるものです。
三菱電機の太陽光発電を使っています。故障したらどうなりますか?
三菱電機は2019年11月15日の文書で「アフターサービス体制に関し、従来から変更はございません」「保証内容に関し、従来から変更はございません」と明記し、修理受付センターと技術相談センターの電話番号・受付時間を公表しています。保証書の記載内容に基づく対応が継続されます。
ソーラーフロンティアのパネルの保証はいつまでですか?
購入した製品の保証書に記載された内容によります。同社は2021年10月19日の文書で、CIS太陽電池モジュールの生産を2022年6月末を目途に終了したうえで「保証内容に関しては従来から変更なくご購入頂いた製品の保証書記載内容に基づき継続いたします」と案内しています。問い合わせ先は購入した販売店または同社お客様サービスセンターです。
生産をやめたメーカーの製品は避けたほうがいいですか?
公式文書だけを見る限り、3社とも保証は継続すると書いています。判断材料になるのは生産終了そのものではなく、保証書の年数と対象、窓口がメーカーか販売店か、故障時に交換品があるかです。いずれも見積書と保証書で確認できます。
「おすすめしないメーカー」はどうやって見分ければいいですか?
メーカー名で線を引く方法は、公式文書と突き合わせると成立しにくくなります。確認できるのは、保証の年数と免責条件、窓口の所在、型番が現行品か生産終了品か、パネル寸法が自分の屋根に収まるかです。営業資料の説明ではなく、メーカー公式のスペックシートと保証書の原文で確認してください。
パワーコンディショナはどのメーカーが作っていますか?
パネルのメーカーと同じとは限りません。パナソニックは2021年の生産撤退の際、島根工場について「太陽電池セルの生産を終息しますが、パワーコンディショナ、蓄電池などの生産は継続します」と公表しています。見積書では、パネル・パワーコンディショナ・蓄電池それぞれの型番とメーカーを分けて確認してください。
