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【2026年版】蓄電池は停電時に何時間使える?家電別の独自計算

執筆: Japan Energy Times 編集部
再生可能エネルギー
【2026年版】蓄電池は停電時に何時間使える?家電別の独自計算

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10kWhの家庭用蓄電池でも、真夏に冷房を使いながら普段どおり過ごすと約32時間で空になります。同じ10kWhで冷蔵庫と照明とスマートフォンだけに絞れば約306時間、日数にして12日を超えます。差は蓄電池の性能ではなく、停電中に何を動かすかで生まれます。停電が起きてから「どれを諦めるか」を考えると判断を誤りますから、容量別の持ち時間と、家電1台ごとに削れる時間を先に把握しておいてください。

蓄電池は停電時に何時間使える?容量別・家電別の早見表【2026年版】

蓄電池の持ち時間は「実効容量 ÷ 1日に使う電力量」で決まります。カタログに載っている定格容量をそのまま使うと過大な数字になりますので、当サイトでは実効係数0.85を掛けた値を全記事で共通の前提にしています。

定格容量 実効容量
(×0.85)
①命綱
666Wh/日
②標準
861Wh/日
③夏・冷房8時間
6,301Wh/日
5.0kWh4,250Wh約153時間(6.4日)約118時間(4.9日)約16時間
7.0kWh5,950Wh約214時間(8.9日)約166時間(6.9日)約23時間
10.0kWh8,500Wh約306時間(12.8日)約237時間(9.9日)約32時間
12.0kWh10,200Wh約368時間(15.3日)約284時間(11.8日)約39時間
16.4kWh13,940Wh約502時間(20.9日)約388時間(16.2日)約53時間

①の「命綱」は冷蔵庫・照明・スマートフォン充電だけ、②の「標準」はそこにDC扇風機とノートPCを足した構成です。③は②に6畳用エアコンの冷房を8時間加えています。エアコンが入った瞬間、持ち時間は7分の1以下に落ちます。

この表の前提

定格容量に実効係数0.85を掛けた値を「取り出せる電力量」としています。この係数はJapan Energy Timesの蓄電池・ポータブル電源の記事すべてで統一している値です。家電の消費電力量は次章の基準値をそのまま使っています。扉の開閉が増えれば冷蔵庫の実稼働時間が延びますので、実際の持ち時間は表より短くなります。

停電時に蓄電池から給電する家電の組み合わせと持ち時間を解説するセクションの補足画像

「何時間使える」には2つの意味があります|連続運転と1日消費

同じ容量なのに解説記事ごとに持ち時間が違うのは、答えている問いが2種類あるためです。この2つを分けないまま数字だけを比べると、必要な容量を読み違えます。

①いま動かしている家電で、電池が空になるまでの時間

実効容量を「同時に動いている家電の合計W」で割った時間です。冷房を入れている最中の残り時間を知りたいときは、この計算になります。10kWh(実効8,500Wh)で冷蔵庫の実稼働100W・照明10W・6畳用エアコン680Wを同時に動かすと合計790Wですから、8,500 ÷ 790 で約10.8時間です。

②いつもの生活を続けて、何日もつか

実効容量を「1日に使う電力量の合計」で割った日数です。エアコンは24時間つけっぱなしにしませんし、照明も日中は消します。1日単位で積み上げると、同じ10kWh・同じ冷房8時間でも約32時間、つまり1.3日という別の答えになります。

問いの立て方割る数10kWh(実効8,500Wh)の答え
命綱の生活を続けたら666Wh/日約306時間
いつもの生活を続けたら861Wh/日約237時間
夏に冷房8時間の生活を続けたら6,301Wh/日約32時間
冷房をつけている間だけ数えたら790W(同時負荷)約10.8時間
同じ10kWhでも「何時間」の答えは4つある ①命綱の生活 約306時間 ②いつもの生活 約237時間 ③夏・冷房8時間 約32時間 ④冷房中の連続運転 約10.8時間 前提:定格10kWh×実効係数0.85=取り出せる電力量8,500Wh ①〜③は1日の消費電力量で割った日数換算、④は同時負荷790Wで割った連続時間 ※Japan Energy Times 編集部が家電別消費電力から算出(2026年8月)
同一容量10kWhにおける4通りの持ち時間(編集部独自計算・2026年8月)
約10.8時間 冷房中の連続運転
約306時間 命綱の生活を続けた場合

他サイトの数字と食い違って見えるのは、この問いの違いと、実効容量の見積もりが揃っていないことが理由です。実効容量を定格の8割とする記事もあれば9割とする記事もありますので、複数のサイトの持ち時間を並べても比較にはなりません。前提を明記している記事だけを見てください。

計算に使った家電別の消費電力|実測ベースの基準値

持ち時間の計算は、家電の消費電力量をどう置くかで結論が変わります。ここで使っている値は、当サイトが機種別に整理してきた電気代記事の数値と、省エネルギーセンターの家庭の省エネ大事典の目安値をそろえたものです。

家電消費電力1日あたりの想定1日の消費電力量
冷蔵庫(400L級)実稼働時100W間欠運転で実稼働6時間600Wh
LEDランタン・照明5W8時間40Wh
DC扇風機10W12時間120Wh
ノートPC25W3時間75Wh
スマートフォン充電13Wh/回2回26Wh
エアコン(6畳用)1時間あたり680Wh冷房8時間5,440Wh
IHクッキングヒーター(中火)1,000W調理1時間1,000Wh
電子レンジ1,200W5分×2回200Wh

冷蔵庫の600Whは冷蔵庫の電気代で算出した年間消費電力量からの換算値、エアコンの680Whはエアコンの電気代、IHの1,000WはIHクッキングヒーターの電気代で使っている値と同じです。上の5行を足した861Whが、冷暖房と調理を外した生活1日分にあたります。

冷蔵庫は常時100Wを消費するわけではありません。庫内が設定温度に達すると圧縮機が止まりますので、1日のうち実際に動くのは6時間程度です。連続運転として100W×24時間で計算すると、実態の4倍の消費量になります。

家電1台で持ち時間はどれだけ削れるか|独自計算の交換レート

停電中の判断は「この家電を使うと、何を諦めることになるか」で決まります。1回の使用が他の家電の何時間分にあたるかを換算すると、優先順位が数字で見えます。冷蔵庫は1時間あたり25Wh(600Wh ÷ 24時間)として計算しました。

使う家電と時間消費電力量冷蔵庫に換算スマホ充電に換算LED照明に換算
エアコン(6畳用)1時間680Wh約27時間分約52回分約136時間分
エアコン(6畳用)8時間5,440Wh約9.1日分約418回分約1,088時間分
IH中火 1時間1,000Wh約40時間分約76回分約200時間分
電子レンジ 5分100Wh約4時間分約7回分約20時間分
ノートPC 3時間75Wh約3時間分約5回分約15時間分
DC扇風機 12時間120Wh約4.8時間分約9回分約24時間分
この表から読み取れること

電子レンジ・ノートPC・扇風機は、5分から12時間使っても冷蔵庫3〜5時間分にしかなりません。持ち時間を削るのは熱を作る家電だけです。冷房を1日8時間つければ、それだけで冷蔵庫9日分の電力を使います。停電中に我慢すべき対象は、実質的に冷暖房とIH調理の2つに絞られます。

冷房をやめてDC扇風機に切り替え、調理をカセットコンロに移すと、1日の消費は6,301Whから861Whまで下がります。同じ10kWhの蓄電池で、約32時間が約237時間へ伸びる計算です。

もたせたい日数から必要容量を逆算する独自計算

容量から時間を出す計算は、買う前の判断には向きません。必要なのは逆方向、つまり「何日もたせたいか」から必要な定格容量を出す計算です。式は次の3ステップだけです。

必要容量を出す3ステップ
  1. 停電中に使う家電を書き出して1日の消費電力量を足す

    前章の基準値を使って、使う家電の1日分を合計してください。冷暖房を入れるかどうかで桁が変わります。

  2. もたせたい日数を掛ける

    1日の消費電力量に日数を掛けた値が、必要な「取り出せる電力量」です。

  3. 0.85で割ってkWhに直す

    実効係数0.85で割り、1,000で割ればカタログに載っている定格容量になります。

停電中の生活1日の消費電力量1日分3日分7日分
①命綱(冷蔵庫・照明・スマホ)666Wh0.8kWh2.4kWh5.5kWh
②標準(①+扇風機・ノートPC)861Wh1.0kWh3.0kWh7.1kWh
③夏・冷房8時間(②+エアコン8時間)6,301Wh7.4kWh22.2kWh51.9kWh

③の7日分は51.9kWhです。家庭用蓄電池の最大級が16.4kWh前後ですから、冷房を使う生活を1週間もたせることは、蓄電池を何台並べても現実的ではありません。容量選びで迷ったときは、①か②のどちらの生活を守るのかを先に決めてください。決め方の詳細は蓄電池の容量の選び方で世帯人数別に整理しています。

停電は何日続くのか|「1週間」との差をどう埋めるか

持ち時間を計算しても、停電がそれより長引けば意味がありません。備蓄の日数について、内閣府防災情報は次のように示しています。

これまで、備蓄は3日分あれば十分と言われていましたが、非常に広い地域に甚大な被害が及ぶ可能性のある南海トラフ巨大地震では、「1週間以上」の備蓄が望ましいとの指摘もあります。

出典: 内閣府防災情報のページ「できることから始めよう!防災対策 第3回」

この1週間という基準を先ほどの逆算表に当てはめると、①の命綱の生活なら5.5kWhで届きます。②の標準的な生活でも7.1kWhです。届かないのは③の冷暖房を使う生活だけです。広域停電がどう起きるかは資源エネルギー庁のブラックアウトの発生メカニズムで解説されており、復旧の順序は電気・ガス・水道の復旧順にまとめています。

1週間を埋める方法は2つだけです

1つは使う家電を命綱まで絞り、5.5kWh以上の容量を確保すること。もう1つは太陽光発電で日中に充電し、蓄電池を毎日使い切って毎日ためること。容量だけを増やして冷暖房も維持する道は、家庭用の価格帯には存在しません。太陽光との組み合わせは蓄電池で電気代はいくら安くなるかで試算しています。

ポータブル電源で足りるのはどこまでか|1日900Whが分かれ目

命綱の生活だけなら、蓄電池を入れなくても市販のポータブル電源で足ります。1日666Whなら、実効1,700Wh(定格2,000Wh級)で約2.5日、実効2,550Wh(定格3,000Wh級)で約3.8日もつ計算です。判断の分かれ目は、1日の消費が900Whを超えるかどうかと、200V機器を使うかどうかの2点です。

ポータブル電源で足りる
  • 1日の消費が900Wh以下(冷蔵庫・照明・通信機器まで)
  • エアコンとIHを停電中は使わないと決められる
  • 賃貸・集合住宅で設置工事ができない
  • 想定する停電が3日以内
蓄電池が必要
  • 1日の消費が2,000Whを超える(冷暖房を維持したい)
  • 200VのエアコンやIHを停電中も動かしたい
  • 太陽光発電と連携して毎日充電したい
  • 停電時に分電盤経由で自動的に切り替えたい

ポータブル電源で冷房まで賄えるかは、定格出力と起動電力の条件が別にあります。畳数別の必要スペックはポータブル電源でエアコンは動かせるかで検証しました。必要なWhの決め方はポータブル電源の容量計算が対応しています。

あわせて読みたい 【2026年版】ポータブル電源と蓄電池の違い|停電時間で比較

持ち時間を伸ばす4つの行動

同じ容量でも、停電が始まった直後の行動で持ち時間は大きく変わります。効果が大きい順に4つあります。

  • 冷暖房を止め、扇風機か厚着に切り替えます。冷房8時間分の5,440Whは、扇風機12時間の45日分にあたります。
  • 調理はカセットコンロに移します。IH中火1時間の1,000Whは、冷蔵庫40時間分です。
  • 冷蔵庫の扉を開ける回数を減らします。開閉が増えると圧縮機の実稼働時間が延び、1日600Whの前提が崩れます。
  • 使っていない回路のブレーカーを落とします。特定負荷型なら給電先が固定されていますが、全負荷型は待機電力が家全体に流れ続けます。

給電範囲が固定か家全体かは蓄電池の型で決まります。型ごとの持ち時間の違いは全負荷型と特定負荷型の違いで計算しました。

よくある質問

蓄電池は停電時に自動で切り替わりますか?

自動切替と手動切替の2方式があり、機種によって異なります。自動切替なら停電を検知して数秒で給電が始まりますが、手動切替は分電盤付近の自立運転用コンセントに機器をつなぐ操作が必要です。見積書の「停電時切替方式」の欄で確認してください。

10kWhあれば冷蔵庫とエアコンを一晩使えますか?

使えます。10kWhの実効容量8,500Whに対し、冷蔵庫600Wh・照明40Wh・6畳用エアコン8時間5,440Whを足しても6,080Whです。ただし翌日も同じ使い方をすると2日目の途中で空になりますので、太陽光での充電がなければ一晩限りの余裕と考えてください。

蓄電池が空になったら停電中に充電できますか?

太陽光発電を併設していれば日中に充電できます。太陽光がない場合、停電中は系統から電気を受け取れませんので充電手段がありません。停電対策として蓄電池を検討しているなら、太陽光とセットで考えるのが前提になります。

容量が大きい機種ほど停電に強いと考えてよいですか?

持ち時間は容量に比例しますが、同時に動かせる家電の数は容量ではなく自立運転時の定格出力(kVA)で決まります。容量が大きくても出力が小さい機種では、IHとエアコンの同時使用で出力上限に達します。カタログの容量欄と出力欄を必ず両方見てください。

冬の停電では持ち時間はどう変わりますか?

電気式の暖房を使う場合は夏より短くなります。エアコンの暖房は冷房より消費電力が大きく、電気ストーブやオイルヒーターは強運転で1,000Wを超えます。暖房を蓄電池で賄う前提を置くと必要容量が跳ね上がりますので、冬は石油ストーブや寝袋など電気を使わない手段と組み合わせるのが現実的です。

あわせて読みたい 【2026年版】蓄電池の容量の選び方|世帯別の最適kWh診断と比較表

必要な容量を決める3ステップ

持ち時間の数字を見比べる前に、守りたい生活の範囲を先に決めてください。順番を逆にすると、容量だけが膨らんで予算に合わなくなります。

停電に備えて容量を決める3ステップ
  1. 守る範囲を①命綱か②標準かで決める

    冷暖房を蓄電池で維持する選択肢は、7日分で51.9kWhが必要になるため外してください。冷房が必要な日は在宅避難ではなく涼しい場所への移動を前提にすると、容量の判断が現実的になります。

  2. もたせたい日数を掛けて必要容量を出す

    命綱なら7日で5.5kWh、標準なら7日で7.1kWhです。この数字を持って見積もりを取ると、提案された容量が過大かどうかを自分で判定できます。

  3. 自立運転時の定格出力を見積書で確認する

    容量が足りていても出力が足りなければ同時使用できません。使いたい家電のW数を合計し、自立時定格出力を上回っていないかを申し込み前に照合してください。機種ごとの比較は家庭用蓄電池おすすめ5選で整理しています。

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この記事の執筆: Japan Energy Times 編集部
電気代・再生可能エネルギー・省エネの一次情報(公式統計・料金表・制度資料)を確認して記事を制作しています。
カテゴリ:再生可能エネルギー

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