ポータブル電源の容量は「消費電力W×使用時間h÷0.85」で決まります
必要な容量(Wh)は、動かしたい家電の消費電力(W)に使いたい時間(h)を掛け、0.85で割れば求められます。容量を先に決めてから家電を当てはめる順番だと、足りない容量を買うか、使い切れない容量に過剰投資するかのどちらかになります。順番は「家電を決める → 積み上げる → 容量帯を選ぶ」です。
必要容量の計算式
必要容量(Wh)= 消費電力(W)× 使いたい時間(h)÷ 0.85
例:消費電力25WのノートPCを8時間動かしたい場合、25 × 8 ÷ 0.85 = 約235Wh が必要です。冷蔵庫のように自動で動いたり止まったりする家電は、W×時間ではなく、年間消費電力量を365日で割った1日分(764〜926Wh)を使います。
必要容量を決める3ステップ
1
動かす家電を決める
冷蔵庫・照明・扇風機
など3つ程度に絞る
銘板のW数を確認
2
W×h÷0.85で積む
0.85はインバーター
の変換効率
合計Whを算出
3
定格出力を確認
容量が足りていても
出力不足で動かない
瞬間最大出力も見る
停電3日・1〜2人世帯なら冷蔵庫の有無で約920Wh↔約3,600〜4,200Wh
「防災は1,500Wh以上」という一律の目安は、対象家電を決めないと機能しない
※消費電力は Japan Energy Times の家電別電気代記事で使っている値を使用
必要容量を決める3ステップと、冷蔵庫の有無で約4倍変わる防災用容量
WhとWは別物です|容量と出力の役割
Wh(ワットアワー)は貯められる電力量、W(ワット)は同時に取り出せる電力の大きさを表します。Whが燃料タンクの大きさなら、Wはエンジンの排気量にあたります。タンクが大きくてもエンジンが小さければ高出力の家電は動きません。容量(Wh)と定格出力(W)は独立した指標 で、片方だけを見て選ぶと失敗します。
製品ページに並ぶ「1,024Wh/定格出力1,500W」という表記は、前者が容量、後者が出力です。EcoFlow DELTA 3 Plus の場合、容量1,024Wh・定格出力1,500W・充電56分という組み合わせで、容量は中位でも出力は電気ケトルや電子レンジをまかなえる水準になります。
変換ロスを0.85で見込む理由
カタログの容量をそのまま使えるわけではないため、0.85で割り増しして見積もります。ポータブル電源に貯まっているのは直流の電気で、家庭用のACコンセントで使うにはインバーターで交流に変換する必要があります。この変換で電力の一部が熱として失われます。
競合記事では0.8や0.7〜0.8という係数も使われますが、Japan Energy Times では実使用可能容量を本体表示の85%として全記事で統一しています。0.8で計算すると必要容量を約6%多く見積もることになり、容量帯をひとつ上に押し上げてしまうケースが出ます。係数を記事ごとに変えないほうが、家電別の記事と突き合わせたときに数字が合います。
【2026年版】用途別に必要な容量の早見表
用途によって必要な容量は200Whから4,000Wh超まで20倍以上の開きがあります。以下の表は、動かす家電と使用時間を具体的に置いた積み上げ計算です。消費電力は Japan Energy Times が家電別の電気代記事で使っている値を使いました。
用途 想定する家電と使用時間 積み上げ電力量 必要容量 (÷0.85) 選ぶ容量帯
日帰りキャンプ スマホ充電4回+LEDランタン5W×5h+小型機器10W×3h 107Wh 約126Wh 200〜300Wh
1泊の車中泊 スマホ4回+ランタン5W×8h+電気毛布(中18W)×8h+DC扇風機10W×8h 316Wh 約372Wh 500Wh
在宅ワークのBCP (1日8時間) ノートPC+モニター42W×8h+ルーター10W×8h+スマホ4回 468Wh 約551Wh 700〜1,000Wh
停電1日 (1〜2人・冷蔵庫あり) 冷蔵庫1日分(764〜926Wh)+ランタン5W×8h+DC扇風機10W×12h+ノートPC25W×4h+スマホ4回 1,076〜1,238Wh 約1,300〜1,500Wh 1,500Wh
停電3日 (1〜2人・冷蔵庫なし) ランタン5W×8h+DC扇風機10W×12h+ノートPC25W×3h+スマホ6回を3日分 783Wh 約921Wh 1,000Wh
停電3日 (1〜2人・冷蔵庫あり) 上記+冷蔵庫3日分(2,292〜2,778Wh) 3,075〜3,561Wh 約3,600〜4,200Wh 4,000Wh級 /ソーラー併用
停電3日 (3〜4人・冷蔵庫あり) 冷蔵庫3日分(2,292〜2,778Wh)+サーキュレーター21W×12h×3日+ノートPC25W×4h×3日+ランタン+スマホ12回 3,624〜4,110Wh 約4,300〜4,800Wh 2,000Wh級では不足(5,000Wh級なら1台で可)
消費電力の出典:冷蔵庫は年間消費電力量279〜338kWh(容量別の平均)を365日で割った1日764〜926Wh。ノートPC25W・DC扇風機10W・電気毛布(中)18W・サーキュレーター(DC強)21W・空気清浄機(弱)8Wは、Japan Energy Times の各家電の電気代記事で採用している値です。スマホ充電1回13Wh。
計算の前提
冷蔵庫は定格消費電力×24時間ではなく、カタログの年間消費電力量を365日で割った1日764〜926Whで積み上げています。表の値は各家電を単独で使った理論値です。複数を同時に使う場合は、合計消費電力が定格出力を超えないかも確認してください。
防災3日分は何Wh必要か|世帯人数別の独自計算
防災目的の必要容量は、冷蔵庫を守る対象に含めるかどうかで約4倍変わります。内閣府の防災情報 は、備蓄は3日分あれば十分と言われてきたが、南海トラフ巨大地震では「1週間以上」の備蓄が望ましいとの指摘があると紹介しています。この3日という基準を電力に翻訳すると、世帯人数と対象家電で結論が大きく分かれます。
1〜2人世帯・冷蔵庫なしなら約920Wh
照明・情報収集・暑さ寒さ対策に絞れば、3日分でも約920Whで足ります。内訳はLEDランタン5W×8時間、DC扇風機10W×12時間、ノートPC25W×3時間、スマホ充電2回を3日分積み上げた783Whを0.85で割った値です。DCモーターの扇風機 は消費電力がACモーター機の4分の1程度で、限られた容量のなかでの費用対効果が高くなります。
冬の停電も同じ考え方が使えます。電気毛布は中設定で18Wなので、一晩8時間なら約170Whです。部屋を暖める発想を捨てて体だけを温める設計にすると、必要容量は1桁小さく収まります。
1〜2人世帯・冷蔵庫ありなら約3,600〜4,200Wh
冷蔵庫を3日間守ろうとすると、必要容量は約3,600〜4,200Whに跳ね上がります。冷蔵庫は24時間365日動き続ける唯一の家電 で、年間消費電力量から割り戻した1日764〜926Whで計算すると、3日で2,292〜2,778Whを消費します。先ほどの783Whに足すと3,075〜3,561Wh、0.85で割って約3,600〜4,200Whです。
約920Wh
冷蔵庫なし・3日
→
約3,600〜4,200Wh
冷蔵庫あり・3日
この差が、メーカー各社が示す「防災なら1,500Wh以上」という目安の内側で起きているズレです。1,500Whは冷蔵庫を含めない前提なら過剰で、含める前提なら半分にも届きません。
3〜4人世帯は約4,300〜4,800Whで2,000Wh級では届かない
3〜4人世帯が冷蔵庫を含めて3日分を確保するには約4,300〜4,800Whが必要です。冷蔵庫の3日分(2,292〜2,778Wh)にサーキュレーターと情報機器を加えた積み上げが3,624〜4,110Whになります。5,000Wh級(容量5,040Wh)なら1台で届きますが、本体だけで約80万円します。2,000Wh前後の機種では届かないため、選択肢は次の3つです。
ソーラーパネルを併用し、日中の発電で使った分を戻しながら運用します。
2,000Wh級を2台に分け、冷蔵庫用と情報機器用で系統を分けます(2台でも3日分には少し足りません)。
3日間の完全カバーをあきらめ、冷蔵庫は最初の1日だけ守る設計に切り替えます。
冷蔵庫は扉を開けなければ2〜3時間は庫内温度を保てます。停電直後から通電するのではなく、庫内温度が上がってきたタイミングで数時間だけ動かす運用にすると、同じ容量で守れる日数が伸びます。
冷蔵庫だけに絞れば、必要な定格容量は1日で約900〜1,100Wh、3日で約2,700〜3,300Whです。電源を用意しない場合の限界時間とあわせて、停電で冷蔵庫は何時間もつか で計算過程を公開しています。
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容量より先に定格出力(W)を確認する|「動かない」事例の落とし穴
容量が十分でも、定格出力が足りなければ家電は動きません。ポータブル電源には「定格出力」と「瞬間最大出力」の2つの出力値があり、前者が継続して供給できる電力、後者が一瞬だけ許容できる電力です。買ってから動かないと気づく事例は、この2つの確認漏れで起きます。
電子レンジの「600W」は消費電力ではありません
電子レンジの600Wという表記は定格高周波出力で、実際の消費電力は約1,000〜1,400Wです。マグネトロンで電波を発生させる際の変換効率が50〜60%程度のため、投入電力は出力の約2倍になります。電子レンジの電気代を計算した記事 で確認したとおり、500W出力の機種で実消費電力は約900〜1,000Wです。
定格出力1,000Wのポータブル電源で「600Wの電子レンジ」を動かそうとすると、必要な1,000〜1,400Wに届かず保護回路が働きます。カタログの出力表記ではなく、本体銘板の定格消費電力を見る のが正解です。
モーター家電の起動電力は定格の2〜7倍
冷蔵庫や井戸ポンプのようなモーターを持つ家電は、起動の瞬間に定格の2〜7倍の電力を要求します。消費電力100Wの冷蔵庫でも、起動時には300〜700Wが一瞬流れます。定格出力300Wのモデルでは、平常運転はできても起動できないという状態になります。
家電 カタログの表記 必要な定格出力 必要な瞬間最大出力 確認すべき点
電子レンジ 出力600W 1,000〜1,400W 1,400W以上 表記は高周波出力。実消費電力は約2倍
電気ケトル 1,250W 1,250W 1,300W以上 表記どおりの高負荷が数分続く
セラミックヒーター(強) 1,200W 1,200W 1,200W以上 熱を作る家電は容量より先に出力が不足する
冷蔵庫 100W 100W 300〜700W 起動時に定格の3〜7倍が流れる
エアコン(6畳用・冷房) 635〜655W 720〜940W 機種による 仕様表の最大消費電力(720〜940W)で見る。連続運転は容量が足りない
井戸ポンプ(浅井戸) 250W 250W 500〜750W モーター機のため余裕のある出力を選ぶ
DC扇風機 10W 10W 10W 出力の心配はほぼ不要
熱を作る家電(電子レンジ・電気ケトル・ヒーター・ドライヤー)は、容量ではなく出力で先に行き詰まります。この4種類を動かす予定があるなら、定格出力1,500W以上を条件にしてから容量を選んでください。
エアコンを動かす前提で選ぶ場合は、畳数別に必要な定格出力と稼働時間をまとめた記事 で条件を確認してください。暖房は冷房より大きな出力が必要です(6畳用の2機種の最大消費電力は冷房720〜940W・暖房1,280〜1,315W)。
容量あたりの生涯コストを独自計算|リン酸鉄と三元系の徹底比較
同じ価格・容量でも、サイクル数をリン酸鉄3,000回・三元系800回と置くと、1kWhあたりの生涯コストは約3.7倍違います。ポータブル電源は充放電を繰り返すと容量が落ちるため、本体価格だけで比較すると判断を誤ります。「本体価格 ÷(実使用可能容量 × サイクル数)」で、生涯に取り出せる電力1kWhあたりの単価を計算しました。
容量帯 本体価格 (想定) 電池種別 サイクル数 の目安 生涯の取り出し 電力量 1kWhあたり 生涯コスト
300Wh 3.0万円 リン酸鉄 3,000回 765kWh 約39.2円
500Wh 7.0万円 リン酸鉄 3,000回 1,275kWh 約54.9円
1,000Wh 12.0万円 リン酸鉄 3,000回 2,550kWh 約47.1円
2,000Wh 20.0万円 リン酸鉄 3,000回 5,100kWh 約39.2円
1,000Wh 12.0万円 三元系 800回 680kWh 約176.5円
試算条件:本体価格は公式ストアの通常価格に近い水準で当サイトが置いた想定で、セール時はこれより下がります(売れ筋は価格.com ポータブル電源人気売れ筋ランキング で確認できます)。サイクル数はリン酸鉄3,000回・三元系800回と置きました。メーカーの公称値は機種で異なります。実使用可能容量は変換効率85%で算出。Japan Energy Times 独自計算。
1kWhあたりで見ると電気代より高い水準です
上の想定では、リン酸鉄の1kWhあたり生涯コストは約39〜55円です。1,000Wh級が15万円なら約59円になります。容量帯どうしの順位は本体価格で入れ替わりますので、買う時点の価格を同じ式に当てはめてください。どの数字も、家庭用電気料金の目安単価31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会)より高い水準 です。ポータブル電源は電気代を安くする道具ではなく、停電時に電気を使える状態を買う道具だと理解しておくと選択を誤りません。
三元系の約176.5円は、リン酸鉄の約3.7倍です。本体価格が同じでも、毎日充放電する使い方なら三元系は2年程度でサイクル寿命に近づきます。家庭用蓄電池の寿命を比較した記事 と同じく、判断軸は購入価格ではなくサイクルあたりのコストです。
大容量を選びすぎない判断基準|重量と価格の目安
容量を上げるほど重量と価格が増え、持ち運べるという利点が消えます。2,000Wh級は軽い機種でも約18kgあり、実質的には据え置きの機器になります。避難所に持ち出す想定があるなら、容量の上限は体力の上限で決まります。
容量帯 重量の目安 価格帯の目安 持ち運びの現実
300Wh前後 3〜4kg 2万〜4万円 片手で持てる。徒歩移動も可能
500Wh前後 5〜8kg 5万〜7万円 片手で持てる。階段の上り下りは負担
1,000Wh前後 10〜13kg 12万〜15万円 両手で短距離のみ。車への積み込みが前提
2,000Wh前後 18〜30kg 15万〜25万円 据え置き前提。持ち出しは想定しない
価格帯と重量は当サイトが置いた目安です。公式ストアの通常価格の表示と仕様の重量(Jackery 240 New・500 New・1000 New・2000 New、EcoFlow DELTA 3 Plus。2026年10月7日確認)に合わせました。セール時の表示価格はこれより下がります。
大容量(2,000Wh級)のメリット
冷蔵庫を約2日(44〜53時間)まかなえる
定格出力も高く、電子レンジや電気ケトルが動く
複数の家電を同時に使える
大容量(2,000Wh級)のデメリット
18〜30kgで持ち出しが難しい
本体価格が15万〜25万円と、1,000Wh級(12万〜15万円)より高い
家庭用蓄電池は工事を伴い、5kWh前後でも約85万〜110万円(補助金を使う前)かかります。カバー範囲と価格の違いはポータブル電源と蓄電池の違いを停電時間で比較した記事 で整理しています。停電が起きたときにどれくらいで復旧するかは、電力復旧の優先順位 も判断材料になります。
購入前の安全性チェック|NITE事故情報1,860件が示すこと
容量を決めたあとは、電池の安全性を必ず確認してください。製品評価技術基盤機構(NITE) によると、2020年から2024年の5年間にリチウムイオン電池搭載製品の事故は1,860件報告され、そのうち約85%にあたる1,587件が火災につながっています。事故は気温が上がる6〜8月に最も多く発生しています。
製品単位の安全基準がまだ整っていない点も、選定時に押さえておく必要があります。ポータブル電源の発火事故を製品別の火災件数から検証した記事 のとおり、東京消防庁管内で2025年に発生したリチウムイオン電池関連の火災382件のうち最多はモバイルバッテリーの130件で、ポータブル電源は上位5製品に入っていません。一方で製品単位の強制基準はポータブル電源にだけ用意されておらず、リスクと規制の強さが一致していない構造があります。
購入前に確認する3点
電池種別 :リン酸鉄リチウムイオンは熱暴走の起きにくさで三元系に優ります。仕様欄で「リン酸鉄」「LiFePO4」の表記を確認してください。
リコール情報 :消費者庁の重大製品事故情報 にポータブル電源の火災事例が公表されています。購入候補の型番で検索してください。
保管環境 :直射日光の当たる車内や高温になる場所に放置しないでください。夏場の車内放置は事故件数が跳ね上がる典型的な条件です。
必要な容量が決まったら、購入前に自治体の補助制度を確認してください。市区町村によっては購入費の一部が補助されます。国と都道府県の制度は対象外である点を含め、ポータブル電源の補助金を自治体で探す手順の記事 に整理しました。
よくある質問
Q. 1,000Whのポータブル電源で冷蔵庫は何時間動きますか?
約22〜27時間です。1,000Wh × 0.85 = 850Whを、年間消費電力量279〜338kWhから割り戻した平均の消費電力32〜39Wで割りました。定格消費電力(100W前後)で割った約8.5時間は、圧縮機が止まっている時間を数えていない値です。扉の開閉を減らすほど延びるため、停電中は開ける回数をできるだけ抑えてください。
Q. 「防災なら1,500Wh以上」という説明をよく見ますが正しいですか?
対象家電を決めないと判断できません。冷蔵庫を含めない3日分なら約920Whで足りるため1,500Whは過剰で、冷蔵庫を含めるなら1〜2人世帯でも約3,600〜4,200Whが必要で半分にも届きません。一律の目安ではなく、動かしたい家電から積み上げて決めてください。
Q. 容量が同じなら安いモデルを選んでよいですか?
電池種別を確認してから判断してください。同じ1,000Wh・12万円でも、リン酸鉄なら1kWhあたり生涯コストは約47.1円、三元系なら約176.5円で3.7倍の差になります。本体価格が2万円安くても、サイクル寿命が4分の1なら割高です。
Q. ソーラーパネルを併用すれば小さい容量で足りますか?
日中の発電で使った分を戻せるため、必要容量を下げられます。ソーラーパネルの発電量は定格の50〜70%程度にとどまるため、200Wのパネルなら実効100〜140W程度で見積もってください。3〜4人世帯の3日分のように2,000Wh級1台では届かないケースでは、併用が現実的な解決策になります。
Q. ポータブル電源と家庭用蓄電池はどちらを選ぶべきですか?
持ち出す必要があるかどうかで分かれます。避難所やキャンプでも使うならポータブル電源、自宅の停電対策に限るなら家庭用蓄電池が向いています。容量1kWhあたりの価格は、この記事で挙げた機種の通常価格で約10万〜15万円です。家庭用蓄電池は工事費込みで約17万〜22万円/kWh(経済産業省の資料・補助金を使う前)で、5kWh前後でも約85万〜110万円かかります。
Q. 使わない期間はどう保管すればよいですか?
残量50〜60%で、15〜25℃の環境に置いてください。満充電のまま長期保管すると劣化が進みます。3〜6か月ごとに残量を確認して補充電すると、いざというときに使える状態を保てます。35℃以上と0℃以下の環境は避けてください。
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【2026年版】ポータブル電源と蓄電池の違い|停電時間で比較
容量選びをさらに詳しく
【2026年版】蓄電池の容量の選び方|世帯別の最適kWh診断と比較表
防災用として3日分を備える場合は、時間帯ごとに使う家電を切り替える設計にすると必要容量が下がります。防災3日分に必要なWhを72時間タイムラインで積み上げた記事 では、冷蔵庫への通電を時間帯で絞って必要容量を下げる設計を掲載しました。
必要な容量を確定する3つのアクション
必要容量は30分あれば自分で確定できます。以下の3ステップを順番に実行してください。
容量を確定する3つのアクション
停電中に動かしたい家電を3つに絞る
すべてを守ろうとすると容量が4,000Whを超えて非現実的になります。冷蔵庫・照明・情報機器のように優先順位を付け、上位3つだけを対象にしてください。
本体銘板の消費電力を確認して積み上げる
カタログではなく本体裏面や側面の銘板に記載された定格消費電力(W)を使います。W × 使いたい時間(h)を家電ごとに計算し(冷蔵庫だけは年間消費電力量を365日で割った1日分を使います)、合計を0.85で割ってください。この値が必要容量です。
定格出力と瞬間最大出力が足りる機種に絞る
3つの家電のうち最も消費電力が大きいものを基準に定格出力を選びます。冷蔵庫やポンプなどモーター機を含む場合は、その定格の3倍以上の瞬間最大出力があるモデルに限定してください。電子レンジを使うなら定格出力1,500W以上が条件です。
容量を確定したあとに残る疑問が寿命です。リン酸鉄ポータブル電源の寿命は何年か では、使い方別の実質寿命を独自試算しました。防災備蓄として年数回しか使わない場合、寿命を決めるのはサイクル数ではなく保管中の温度と充電残量です。
ソーラーパネルで充電する場合、必要な日数は容量とパネル出力の組み合わせで決まります。ソーラーパネルでの充電に何時間かかるか は、気象庁の日射量データをもとに月別に試算しました。
3つに絞る対象そのものを決めかねる場合は、停電の備えで守る家電の優先順位 を先に読んでください。1日の消費電力量の小さい順に積み上げると、上位4つで261Wh、そこへ冷蔵庫を足すと1,025〜1,187Whになる計算を掲載しています。