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停電で冷蔵庫は何時間もつ?冷蔵2〜3時間・冷凍半日の条件別早見表

更新: 2026/10/07執筆: Japan Energy Times 編集部
電気代・節電
停電で冷蔵庫は何時間もつ?冷蔵2〜3時間・冷凍半日の条件別早見表

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停電した冷蔵庫の中身を守れる時間は、ドアを閉じたままでも2〜3時間しかありません。冷凍室はもう少し粘り、きっちり詰まっていれば半日から丸1日が目安です。ところが内閣府(中央防災会議)が首都直下地震の被害想定で示した電気の復旧目標日数は6日、時間にすると144時間あります。冷蔵室の保冷2〜3時間で埋められるのは、そのうちわずか2.1%です。停電の長さによって取るべき行動は「開けずに我慢する」か「電源を確保する」かに割れます。境目は停電開始から3時間、そして12時間です。

停電した冷蔵庫が冷えを保つ時間【条件別早見表】

冷蔵室は2〜3時間、冷凍室は満杯で半日から丸1日が保冷時間の目安です。パナソニックが公開している停電時の冷蔵庫の扱いでも、冷蔵庫はドアを開けなければ2〜3時間程度は冷えが保たれ、冷凍室はすき間なく詰めておけば季節によっては半日から丸1日くらい凍った状態が保たれると案内しています。区画ごとに持ち時間が大きく違うため、停電中に守るべき優先順位も変わります。

庫内の区画保冷時間の目安前提条件時間を縮める要因
冷蔵室2〜3時間停電時に庫内が十分冷えている/ドアを開けないドアの開閉、室温の高さ、庫内が空に近い
冷凍室(きっちり詰まっている)半日〜丸1日−18℃以下で凍結済み/ドアを開けないすき間が多い、半解凍の食品が混ざっている
冷凍室(半分以下)満杯時よりも短い蓄えている冷熱が量に比例して減る詰まり具合の少なさがそのまま効く
野菜室冷蔵室に準じる設定温度が冷蔵室より高い区画もともと温度が高いぶん余裕が小さい
製氷皿・自動製氷数時間氷が溶けると水漏れにつながる停電が長引くほど床の水濡れリスクが上がる
この早見表の前提

保冷時間は「停電の瞬間に庫内が設定温度まで冷えていること」と「停電中にドアを開けないこと」を前提にした値です。夏場に室温が30℃を超える台所では、外から入る熱が増えるため目安より短くなります。停電の直前に買い物から帰って常温の食材を入れた直後なら、その食材が庫内の熱源になります。

冷凍室が長持ちする理由|持ち時間は詰まり具合にほぼ比例する【独自計算】

冷凍室が冷蔵室より長く持つのは、凍った食品が溶けるときに大量の熱を吸い取るからです。氷が水に変わるあいだ温度は0℃から動かず、その間ずっと外から入ってくる熱を食べ続けます。この性質を数値に置き換えると、冷凍室の持ち時間が「何がどれだけ入っているか」で決まる理由がはっきりします。

冷凍食品1kgが吸ってくれる熱は約372kJ

食品を水分主体とみなして、−18℃の冷凍食品が溶け始めるまでに吸収できる熱量を積み上げます。氷の比熱は2.1kJ/(kg・K)、氷が水に変わるときの融解潜熱は334kJ/kgという物理定数を使います。

段階計算式1kgあたりの吸熱量
−18℃から0℃まで温度が上がる(顕熱)2.1kJ/(kg・K) × 18K37.8kJ
0℃で氷が水に変わる(潜熱)334kJ/kg334kJ
合計37.8 + 334約372kJ
参考:冷蔵室の食品が5℃から10℃になるまで4.2kJ/(kg・K) × 5K21kJ

冷凍食品1kgが吸える熱は約372kJ、冷蔵室の食品1kgは約21kJです。冷凍室の中身は冷蔵室の中身のおよそ18倍の熱を受け止められます。冷蔵室が2〜3時間で力尽きるのに冷凍室が半日以上持つのは、この差が理由です。

計算の前提(Japan Energy Times 編集部)

食品の成分を水と近似し、氷の比熱2.1kJ/(kg・K)・水の比熱4.2kJ/(kg・K)・融解潜熱334kJ/kgを使いました。実際の冷凍食品は水以外の成分を含むため、吸熱量はこの値の前後にばらつきます。庫内へ入ってくる熱の量は機種と設置環境で変わりますので、この計算で出せるのは「何時間もつか」ではなく「量が変われば持ち時間がどう変わるか」の比率です。

冷凍室が半分以下なら持ち時間も約半分になる

庫内に入ってくる熱の量が同じなら、持ち時間は中身の重さにほぼ比例します。冷凍室に10kg入っていれば約3.7MJ、5kgなら約1.9MJの熱を吸い取れる計算です。満杯で丸1日持つ冷凍室は、中身が半分になれば半日程度まで縮みます。パナソニックが「冷凍室はきっちり詰めて収納する」と案内しているのも、凍った食品が保冷剤として働くためです。

冷凍室にすき間があるときは、水を入れたペットボトルを凍らせて詰めておくと、そのまま保冷剤として働きます。1本500mLで約186kJぶんの吸熱能力が増える計算です。

停電からの経過時間別にやること

停電中の行動は、経過時間で3段階に分かれます。3時間まではドアを開けないことが最善で、3時間を超えたら食べる順番を決め、12時間を超えたら電源の確保か廃棄の判断に移ります。

経過時間庫内の状態やることやってはいけないこと
0〜3時間冷蔵室はまだ冷えているドアを閉じたまま触らない/電力会社の情報で復旧見込みの確認中身の確認のために開ける/クーラーボックスへ移し替える
3〜12時間冷蔵室の温度が上がり始める肉・魚・惣菜など傷みやすい食品は、冷えているうちに加熱して食べ切る。約4時間を超えたものは廃棄(農林水産省の目安)/冷凍室の食品を冷蔵室へ移して保冷剤代わりに冷凍室を何度も開ける
12〜24時間冷凍室にも影響が出るポータブル電源や蓄電池があれば冷蔵庫へ接続/半解凍の食品は加熱して消費いったん溶けた食品を再凍結する
24時間以降庫内温度は室温に近づく常温で傷む食品は廃棄/復旧後は冷蔵庫が動いているかを確認においや見た目で判断がつかない食品を口にする

農林水産省は、扉を開けない場合に低温を保てる時間の目安を冷蔵庫で約4時間、冷凍庫で約1〜2日とし、この時間を超えた肉・魚・惣菜などは廃棄するよう案内しています。メーカーの2〜3時間と幅がありますが、どちらも気温と中身の量で変わる目安です。保存温度を保てなかった要冷蔵・要冷凍の食品は、食べずに処分してください。

保冷時間と電気の復旧目標は釣り合わない 冷蔵室 3時間 冷凍室(半分) 12時間 冷凍室(満杯) 24時間 電気の復旧目標 144時間 冷蔵室の保冷が埋められるのは復旧目標144時間のうち約2.1% ※復旧目標は内閣府(中央防災会議)の首都直下地震の被害想定の電気6日。棒の長さは時間に比例
冷蔵室・冷凍室の保冷時間と、電気の復旧目標6日を同じ目盛りで並べた比較(編集部作成)
クーラーボックスへの移し替えは逆効果になります

停電の直後に中身をクーラーボックスへ移す行動は、冷蔵庫のドアを長時間開けることになるため庫内の冷気を一気に失います。移し替える価値があるのは、氷や保冷剤を十分に用意できていて、しかも停電が長期化すると分かっている場合だけです。判断がつかない段階では閉じたままにしてください。

冷蔵庫を停電中も動かすには何Wh必要か【独自計算】

冷蔵庫を1日動かし続けるには、ポータブル電源の定格容量で約900〜1,100Whが必要です。冷蔵庫の電気代の記事と同じく、カタログの年間消費電力量を1日あたりに割り戻し、蓄電池の持ち時間計算などで共通にしている実効係数0.85で割って算出しました。機種の容量や年式、室温、扉の開閉で幅があります。

項目値根拠
冷蔵庫の年間消費電力量279〜338kWh当サイトの冷蔵庫の電気代記事の容量別の平均(501L以上が279kWh、301〜350Lが338kWh)
1日の消費電力量約764〜926Wh年間消費電力量 ÷ 365日
平均の消費電力約32〜39W圧縮機が止まっている時間を含めた平均(年間消費電力量 ÷ 8,760時間)
実効係数0.85定格容量のうち実際に取り出せる割合(全記事共通)

この4つの値から、必要な定格容量を停電日数ごとに逆算します。式は「1日の消費電力量 × 日数 ÷ 0.85」です。

停電の長さ必要な電力量必要な定格容量電気代に換算すると
1日約764〜926Wh約900〜1,100Wh約24〜29円
2日約1,530〜1,850Wh約1,800〜2,200Wh約47〜57円
3日約2,290〜2,780Wh約2,700〜3,300Wh約71〜86円
6日(電気の復旧目標)約4,590〜5,560Wh約5,400〜6,500Wh約142〜172円
この試算の前提と幅

年間消費電力量はカタログに載っている値で、容量別の平均(279〜338kWh)を使いました。圧縮機は庫内が設定温度に達すると止まるため、定格消費電力(100W前後)に24時間を掛ける計算は実態より大きくなります。扉の開閉が多い家庭や真夏の高室温では圧縮機の稼働率が上がりますので、余裕をみて1段階上の容量を選んでください。時間別の必要容量は冷蔵庫の電気代の記事に載せています。

電気代の換算には、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価31円/kWhを使いました。冷蔵庫を6日間動かし続けても、電気代に直せば142〜172円ほどです。

容量選びの分かれ目は1,000Whと3,000Wh

1泊分の停電に備えるだけなら定格1,000Wh級が目安です(消費電力量の多い機種では約1,100Wh)。3日分まで見るなら定格2,700〜3,300Whが必要で、2,000Wh級では約1.8〜2.2日分です。復旧目標6日を冷蔵庫だけで埋めようとすると定格5,400〜6,500Whとなり、家庭用蓄電池の容量帯に入ります。用途別の容量の選び方はポータブル電源の容量ガイドで詳しく計算しています。

約71〜86円 3日間動かした電気代
→
数千円〜 失う食材の金額

冷蔵庫を動かすための電気そのものは、金額でみればごくわずかです。判断を左右するのは電気代ではなく、電源装置を持っているかどうかだけです。

保冷で粘るか、電源を確保するか【判断の分かれ目】

停電が12時間以内で収まる見込みなら、ドアを閉じたまま粘るほうが合理的です。12時間を超える見込みなら、電源の確保か食材の消費・廃棄へ切り替えます。それぞれの向き不向きを整理します。

ドアを閉じて保冷で粘る
  • 費用がまったくかかりません
  • 冷凍室が満杯なら丸1日近く持ちこたえます
  • 短時間の停電では最も確実な方法です
  • 復旧見込みが立っている場合に向きます
電源を確保して動かし続ける
  • 3日分で定格2,700〜3,300Whの機器が必要です
  • 容量が大きいほど本体の購入費も上がります
  • 停電が起きてからでは調達できません
  • 災害停電のように復旧が読めない場面で価値が出ます
  • 停電の原因が落雷や設備事故なら、数時間で復旧する可能性が高いため保冷で粘ります。
  • 地震や台風で広域が停電しているなら、首都直下地震の想定の復旧目標6日を目安に電源確保へ動きます(6日で戻るとは限りません)。
  • 冷凍室が満杯なら、判断を12時間後まで先送りできます。
  • 冷凍室にすき間が多いなら、6時間を目安に食べる順番を決めます。
  • 集合住宅で断水も同時に起きているなら、調理より保存の効く食品を優先します。

停電の広がり方と復旧の順序は、電気・ガス・水道の復旧順番と電力復旧の優先順位で数値をまとめています。冷蔵庫の判断は、この復旧見込みとセットで決めてください。

停電前にやっておく冷蔵庫の備え

冷凍室は詰めて、冷蔵室は7割にする

冷凍室は食品や保冷剤ですき間を埋めるほど保冷時間が伸びます。冷蔵室は逆に、7割程度に抑えて冷気が回るようにしておきます。詰め込みすぎた冷蔵室は普段の消費電力も増えるため、平常時の電気代の面でも効きます。

ごはんやお茶を凍らせて保冷剤の在庫にする

市販の保冷剤を買い足さなくても、小分けにしたごはんや水筒のお茶を冷凍しておけば同じ役割を果たします。停電が起きたら冷凍室から冷蔵室へ移し、冷蔵室の温度上昇を遅らせます。溶けたあとはそのまま食べられる点が、保冷剤にはない利点です。

電源装置の置き場所と接続先を決めておく

ポータブル電源を持っていても、停電のさなかに延長コードを探すことになれば冷気を失います。冷蔵庫のプラグをどこへ差し替えるかを平時に一度試しておいてください。ポータブル電源と据置型の蓄電池は使いどころが違いますので、ポータブル電源と蓄電池の違いで持ち時間を比べたうえで選びます。

停電が復旧すると、プラグを差したままの冷蔵庫は自動で運転を再開します(パナソニック・日立の案内)。復旧後は庫内灯や運転音で動いているかを確かめ、庫内の水漏れがないかも確認してください。停電がどう復旧していくかは東京電力の停電復旧の案内に掲載されています。

よくある質問

停電したら冷蔵庫のプラグは抜くべきですか

突然の停電なら抜く必要はありません。プラグを差したままにしておけば、復旧後に自動で運転を再開します。パナソニックは、計画停電のように事前に停電が分かっているときは、復旧時に圧縮機へ負荷がかかるのを防ぐためプラグを抜いておくことを勧めています。抜いた場合は、復旧後に差し直してください。

いったん溶けた冷凍食品を凍らせ直しても大丈夫ですか

再凍結は避けてください。溶ける過程で食品の細胞が壊れ、水分とともにうま味が流れ出ます。品質の劣化に加えて、溶けている間に温度が上がった状態が続くため衛生面でも不利です。半解凍で済んでいるうちに加熱調理して食べ切る判断が安全です。

停電中に冷蔵庫が壊れることはありますか

停電そのもので壊れることはほとんどありません。注意が必要なのは復旧の瞬間です。家の中の家電が一斉に動き出すとブレーカーが落ちることがあります(三菱電機の案内)。冷蔵庫以外の家電はプラグを抜いておき、復旧後に順番に差し直すと防げます。自動製氷の氷が溶けて床が濡れると、感電や転倒の原因にもなりますので、復旧前に床を確認してください。

ポータブル電源で冷蔵庫は本当に動きますか

動きます。確認すべきなのは容量ではなく定格出力です。冷蔵庫の圧縮機は起動の瞬間に定格の数倍(100Wの機種で300〜700W)の電力を必要としますので、定格出力と瞬間最大出力がこれを上回る機器を選びます。必要な容量は1日あたり約900〜1,100Whで、3日分なら約2,700〜3,300Whです。

冷蔵庫の中身はいくらぶん入っていますか

金額は家庭によって差がありますが、冷凍室に肉や魚をまとめ買いしている家庭では数千円から1万円を超えます。冷蔵庫を3日間動かし続けるための電気代は約71〜86円ですから、電源装置を持っているかどうかで守れる金額が変わります。日常の冷蔵庫の電気代は容量別・年式別の比較で確認できます。

停電から冷蔵庫の中身を守る3つのアクション

停電が起きる前に済ませておく3ステップ
  1. 冷凍室のすき間を埋める

    凍らせたペットボトルや小分けのごはんで冷凍室を満たします。1kgあたり約372kJの吸熱能力が加わり、持ち時間がそのぶん伸びます。冷蔵室は7割までに抑えます。

  2. 停電の長さを想定して必要容量を決める

    1日なら約900〜1,100Wh、3日なら約2,700〜3,300Whが冷蔵庫だけの必要量です。照明やスマートフォンの充電を足す場合は、その分を上乗せして機種を選びます。

  3. 接続先を平時に一度試す

    冷蔵庫のプラグをポータブル電源へ差し替える動作を、停電前に一度やっておきます。延長コードの長さと定格出力の確認まで済ませれば、停電当日に迷いません。

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この記事の執筆: Japan Energy Times 編集部
電気代・再生可能エネルギー・省エネの一次情報(公式統計・料金表・制度資料)を確認して記事を制作しています。
カテゴリ:電気代・節電

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